2022年2月28日放送の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(NHK)第83話では、俳優の松重豊さん演じる役者・伴虚無蔵が抱えてきたわだかまりが解消。意外な顛末に反響を呼んでいる。
「これが父が見た景色なんですね」
俳優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんが3世代ヒロインを演じる同作。ラジオ英語講座を題材に、昭和から平成、そして令和と100年にわたる家族の物語をハートフルに描く。
※以下ネタバレを含みます。
俳優の尾上菊之助さんが2役を演じるテレビ時代劇で活躍する「モモケン」こと俳優の桃山剣之介(初代)、その息子の団五郎(2代目)は、親子で俳優でありながら親子共演は実現せず。初代は「映画を見限った団五郎を映画には出さん」とテレビ中心の活動をしている2代目のことが気に入らないとし、自身の映画の敵役に大部屋俳優だった虚無蔵を抜てきするも映画は大コケしてしまったという過去がある。
第83話では、2代目モモケンが主演を務める新作映画の敵役を決めるオーディションが開催される。エントリーした虚無蔵が審査科目である「殺陣」を披露しようとしたところ、審査席に座っていた2代目が突然立ち上がり「(虚無蔵は)一度は左近(敵役名)を演じたお人」と自ら相手役を志願。見事な殺陣を披露し終えると、2代目は「これが父が見た景色なんですね」と感動した上で、「左近役は虚無蔵ではダメ」とし、「自分自身の左近を探さないといけない。虚無蔵に頼っていたんじゃ父は超えられない」と本音を漏らす。
その後、2代目の口から、当時から初代は虚無蔵を「団五郎よりも良い役者」だと一目置いていたという事実を告げられると、虚無蔵は信じられない様子で「なんでもっと早う言ってくれなかったんですか。わし、20年... 思い詰めてましたがな...」と責めるような口調で反応するのだった。
自分は息子への当てつけで起用されたまでであって、役者としての実力を認められたわけではない、また映画がコケたのは自身が原因だと考えていた虚無蔵にとって、2代目の言葉はまさに青天の霹靂のような知らせだった。
モモケン親子の確執が明らかになるとともに、虚無蔵の長年のわだかまりが解消した回に、視聴者からは「お互いに長年ず~~~っと引きずってたわだかまりが溶けた感じだね...(ニッコリ)」「虚無さんと2代目桃剣さんのやり取りに、夜勤明けの疲れた身体に染み渡ってしまい不覚にも涙してしまった」「先代の真意を知り、ずっと険しい顔だった虚無蔵さんが憑き物が落ちたみたいに優しい顔になってた。背負ってたものをおろせたんだね。泣けた」「自分のせいで駄作と言われるようになったんだと思ってずっと大部屋俳優として生きてきたんだもんね... 早く言ってあげてほしかった...」「父の当てつけではないし虚無蔵の実力もわかっていたけど認めたくなかった。 虚無蔵と手合わせした事で見えた物がある。 言えるまでに20年。 モモケンも虚無蔵も昇華されていく」などと反響を呼んでいる。
「あんたに頼ったんじゃ、父を越えられない」
— 朝ドラ「カムカムエヴリバディ」#カムカム (@asadora_bk_nhk) February 28, 2022
先代も一目置いていた俳優、伴虚無蔵。#虚無蔵 さん、あなたが先代に選ばれたのは、二代目への「あてつけ」なんかじゃなかった。。#尾上菊之助 #松重豊 #朝ドラ #カムカムエヴリバディ #カムカム pic.twitter.com/my2e3JJybw