夏の参院選は「党の存亡をかけた戦い」 立憲幹部が党大会で認めた「厳しい現状」

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   立憲民主党は2022年2月27日に開いた定期党大会で、22年夏の参院選に向けて「中道層、無党派層」からも支持を得るべく「幅広いアプローチ」を展開することなどをうたった22年度の活動計画案を採択した。

   泉健太代表は、参院選の1人区で「政党間の『候補者調整』」を進めて「野党による改選過半数の獲得」を目指すことを表明。ただ、共産党が求めている協議はいまだに始まっておらず、国民民主党は政府の22年度予算案に賛成するなど独自路線を加速。野党間の連携はおぼつかない状態だ。大会は「党の存亡をかけ、日本の民主主義を守る戦いを皆さんで頑張りましょう!」という危機感あふれるかけ声で締めくくられた。

  • 立憲民主党は泉健太代表の就任後初めて定期党大会を開いた。「ガンバロー」のかけ声の代わりに、青色のハンカチを振って参院選に向けての決意を示した
    立憲民主党は泉健太代表の就任後初めて定期党大会を開いた。「ガンバロー」のかけ声の代わりに、青色のハンカチを振って参院選に向けての決意を示した
  • 記者会見する立憲民主党の泉健太代表
    記者会見する立憲民主党の泉健太代表
  • 立憲民主党は泉健太代表の就任後初めて定期党大会を開いた。「ガンバロー」のかけ声の代わりに、青色のハンカチを振って参院選に向けての決意を示した
  • 記者会見する立憲民主党の泉健太代表

国民民主への批判に「そうだ!そのとおりだ!」

   大会では国民民主党の玉木雄一郎代表が寄せた祝辞が読み上げられたが、会場の反応は冷ややかだった。祝辞では、21年秋の衆院選で両党が連合と個別に結んだ、「コロナ危機の克服」など5項目の政策協定に触れ、

「その実現に向けて両党で精査琢磨し国民の皆様の健康と命生活と雇用を守るために全力を尽くしましょう」

などと呼びかけた。会場からの拍手はまばらだった。

   泉代表は直後のあいさつで、

「私たちは当然、良い法案には賛成をし、おかしな法案には反対をする『是々非々』政党だ。しかし、政府が提出する本予算は、それとは訳が違う」

などと発言。予算案への賛否について

「仮に一部に賛同するものがあったり、何か合意したものがあったとしても、結局『政権の考え方のすべて』を認めるか否か、政権に賛同するか否か、が問われる」

と主張すると、会場からは「そうだ!そのとおりだ!」の声があがった。さらに、国民民主党の対応を念頭に

「一法案ではなく、本予算への反対。これが政権を目指す野党のまっとうな姿勢だ」

などと主張。再び「そうだ!」の声とともに拍手が起こった。

   参院選の向けた方針では「野党による改選過半数の獲得」を掲げ、1人区について「政党間の『候補者調整』を、党本部・県連が連携して進めていく」とした。

「党の存亡がかかっているという危機感を持って戦わざるを得ない」

   党大会後の記者会見で、国民民主が候補者調整の対象に含まれるかを問われた泉氏は

「現在、微妙な状況ではないかなと思う。基本的には含まれているという風に考えている」

として、現時点では「野党候補」として調整の余地があるとの見方を示した。

「なんで早めに見捨てないというか、見放さないのか」

という記者の声には、次のように応じた。

「我々の考え方に賛同する部分があるのかないのかということを各政党に問うていった時に、もしかしたら賛同する政党として今の国民民主党というものも、何か可能性があるのかもしれない」

   共産党との協議の行方については

「相手のあることなので、相手とよく話し合わなければならないと思うので、候補者調整に向けて全力を尽くしていきたい」

と述べるにとどめた。

   幹部からは厳しい現状認識も示された。水岡俊一参院会長は閉会のあいさつで、立憲の前身にあたる民進党が16年参院選で改選議席の47議席から32議席へと後退したことに言及し、

「6年前以上の危機感を持って、党の存亡がかかっているという危機感を持って戦わざるを得ない」

と発言。

「党の存亡をかけ日本の民主主義を守る戦いを皆さんで頑張りましょう!」

と声をあげた。

「コアを固めながら中道の立ち位置までウィングを伸ばす」

   泉氏を中心とする新執行部が発足してから3か月。記者会見では、「新しい執行部で本当に何が訴えたかったのか実際よく見えない」という指摘も出た。ただ、泉氏はあいさつの中で、

「これまでの支持層を大切にしながら『コアを固めながら中道の立ち位置までウィングを伸ばす』この取り組みを進めていきましょう」
「立憲民主党こそがリベラルと中道の旗手となっていこうではありませんか」

などと呼びかけており、記者からは「この辺は、もしかしたら代表の想いなのではないか」とも。「枝野時代とどこがどう変わったのか」という問いに、泉氏は「我が意を得たり」とばかりに、「正しく、この私のあいさつの文章をお読みいただき、まさにその部分を取り上げていただいたので、ぜひそう思っていただければ」と応じた。その上で、

「党の仲間たちの政策力や活気みたいなものがどんどん出てきている」
「支持層の広がりというものもできていくのではないか」

などと述べた。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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