「今のテレビ界では本当に珍しい奇跡のようなハプニングだった」
なぜ、「椅子破壊事件」は語り継がれるのか。お笑い評論家のラリー遠田氏は2月25日、J-CASTニュースの取材に「多くの視聴者にとって忘れられない印象的な出来事だったからでしょう」とし、次のように見解を示す。
「昨今のテレビでは、コンプライアンスが重視されていて、出演者もスタッフも予測外のトラブルやハプニングが起きないように気をつけています。問題が発生しないように何重にも保険がかけられているので、ほとんどの番組が滞りなく進行していきます。そんな中で、企業がプレゼント商品として提供してくれた椅子を生放送で壊してしまったというのは、それだけで今の時代にはありえないほど致命的なアクシデントです」
「致命的なアクシデント」だったにもかかわらず笑いが起きたのは、なぜなのか。
「何をしても壊れないと評判の椅子だということを伝えた直後に壊れてしまったということで、笑いの基本である『フリとオチ』がしっかりしているので、深刻なトラブルにもかかわらず、なぜか笑えてしまうのです。そんなトラブルを起こしてしまったのが、右も左もわからない新人タレントではなく、すでに人気も確立した実力派芸人のオードリーであるというのも面白い。椅子破壊事件は、今のテレビ界では本当に珍しい奇跡のようなハプニングだったのです」