夏冬パラ二刀流は「体が限界を迎えるまで」 北京スノボ小須田潤太が右足切断後に知った「楽しさ」

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二刀流を継続できる理由

   負担が伴う夏冬二刀流。それでも、小須田が両競技を継続していくことに迷いはない。理由は2つある。1つは「実際にやっている選手がいるから」。常に先を走る山本篤の存在が、小須田を前向きにさせている。「やれる人がいるなら不可能ではない。先に道を切り開いてくれている人がいるというのは、自分にとって物凄く大きなこと」。現に自らも東京パラリンピックに出場後、北京パラリンピックへの切符を勝ち取った。

   もう1つの理由は「どちらも楽しくてやっているから」。純粋にスポーツを楽しむ気持ちが、小須田の原動力となっている。

「両方続けることの難しさはありますが、両方とも楽しい気持ちが圧倒的に強いから続けられています。どちらかがおろそかになるということは感じていなくて、バランスを取りながら両競技ができています。そういう意味では、二刀流という意識はないんですよね。ただ自分がやりたいことをやっているだけなので。体が限界を迎えるまで、夏冬両方とも継続してやっていくと思います」

   東京パラリンピックは新型コロナウイルスの影響で異例の1年延期となったが、通常どおり夏冬2年ごとに開催されれば、2年間は陸上重視、次の2年間はスノーボード重視と、それぞれのパラリンピックに向けてピークを持っていくのが理想と考えている。イレギュラーだった東京パラリンピックでも、大会直後の2021年9月上旬、スイスで合宿をしていたスノーボードチームにすぐ合流し、わずか半年ながらスムーズに北京を目指す練習へ移行できたという。

「ありがたいことに今、夏と冬の2競技をやる自分にとって物凄く良い環境の中で競技をやらせてもらっているので、あとは僕自身がそこに飛び込んで、目の前のことを1つ1つ着実にクリアしていくこと。周囲のサポートがなければ、間違いなく両方の競技は継続できませんし、僕もここまで本気で打ち込むことができていないと思います。本当に周りに恵まれました」
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