野球ファンなぜ熱狂?
スポーツライターの高木遊氏は21日、取材に野球とカーリングの共通点をこう説明する。
「野球には、投手が最初にボール球を投げる『見せ球』や、三振を取りに来る『勝負球』があります。カーリングも、ガードストーンを置いたり、相手のストーンを弾き出したり、中心円に置きにきたりと、一投ごとに意図があるのが特徴です。また、カーリングはリード、セカンド、サード、スキップと役割が分けられていますが、野球も野手なら1番、2番、3番...投手なら先発、中継ぎ、抑え、といったように役割があります」
なぜカーリングは野球ファンを夢中にさせたのか。高木氏は、野球とカーリングがともに「間(ま)のあるスポーツ」であることが大きな要因だとする。
「ボール(ストーン)が投げられるたびに一回一回プレーが止まり、ファン同士が『次はどういう作戦で来るんだろう』『どういうボールを投げるんだろう』と議論を楽しめる時間が生まれます。また、カーリングの場合は、選手たちの相談をマイクが拾うので、サインプレーの野球よりも議論しやすいと思います」
高木氏はロコ・ソラーレの選手たちの「親しみやすさ」に加え、地方の小さな町(北海道北見市旧常呂町)を背負っているという点から「プロ野球よりは高校野球に近い雰囲気を持っている」と分析。「国内の五輪代表決定戦から盛り上がっていたこともあり、カーリングが今後、日本で長く親しまれる競技になる可能性はあるのではないでしょうか」と期待を寄せた。