天皇陛下は2022年2月23日、62歳の誕生日を迎えた。これに先立つ2月21日に行われた記者会見では、小室圭さんと結婚して皇籍を離脱した秋篠宮家の長女、小室眞子さんにも言及。結婚関連儀式のうち天皇、皇后両陛下にあいさつする「朝見の儀」は、自らの判断で行わなかったことを明らかにした。
眞子さんについては「今後、幸せな人生を歩んでいって欲しい」とする一方で、「この間、多くの方に心配をおかけすることになったことを心苦しく思っております」とも述べた。
「今後、幸せな人生を歩んでいって欲しいと思いますが...」
眞子さんの結婚をめぐっては、結婚式、結納にあたる「納采の儀」、「朝見の儀」などの結婚関連行事は行われず、皇籍離脱する際に支出される「一時金」も眞子さんの意向で支払われなかった。記者会見では、こういった異例の経緯に関する質問が出た。
天皇陛下は、眞子さんの皇籍離脱までの公務について「真摯に取り組んでいたことを深く多といたします」と評価。結婚については「様々な意見があるなど、結婚に至るまでの状況」を踏まえて、結納にあたる「納采の儀」は秋篠宮家の判断、「朝見の儀など」については天皇陛下の判断で行わなかったことを明らかにした。その上で、
「今後、幸せな人生を歩んでいって欲しいと思いますが、同時にこの間、多くの方に心配をおかけすることになったことを心苦しく思っております」
と述べた。
天皇陛下は21年の誕生日会見で、
「眞子内親王がご両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し、喜んでくれる状況になることを願っております」
などとして、結婚には世論の理解が必要だとの見方を示していた。22年の会見では、「国民と皇室との信頼関係」という言葉を使いながら、国民との向き合い方について、次のように述べた。
「皇室のあり方や活動の基本は、国民の幸せを常に願って、国民と苦楽を共にすることだと思います。そして、時代の移り変わりや、社会の変化に応じて、状況に対応した務めを果たしていくことが大切であると思います。皇室を構成する一人一人が、このような役割と真摯に向き合い、国民の幸せを願いながら、一つ一つの務めを果たし、国民と心の交流を重ねていく中で、国民と皇室との信頼関係が築かれていくものと考えております」
情報発信のあり方、「一般論」として語ったのは...
小室圭さん、眞子さんが結婚の際に開いた記者会見では、記者の質問に文書で回答。その中で、結婚に否定的な報道やネット上の書き込みについて、眞子さんが
「誤った情報が、なぜか間違いのない事実であるかのように取り上げられ、謂(いわ)れのない物語となって広がっていくことには、強い恐怖心を覚えました」
と説明していた。
天皇陛下は、質問に答える形で、皇室としての情報発信のあり方や、週刊誌報道やネット上の書き込みに対する見解も明らかにした。「皇室に関する情報をきちんと伝えていくことも大事なことと考えています」と情報発信の重要性に触れながら、週刊誌やネットの書き込みについては
「人々が自分の意見や考えを自由に表現できる権利は、憲法が保障する基本的人権として、誰もが尊重すべきものですし、人々が自由で多様な意見を述べる社会をつくっていくことは大切なことと思います」
と述べた。その上で、「一般論」として、情報発信の際の配慮の必要性にも言及した。
「他者に対して意見を表明する際には、ときにその人の心や立場を傷つけることもあるということを、常に心に留めておく必要があると思います。他者の置かれた状況にも想像力を働かせ、異なる立場にあったり、異なる考えを持つ人々にも配慮し、尊重し合える寛容な社会が築かれていくことを願っております」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)