医療従事者と保健所職員は「本当に大変なお仕事をなさっている」
及川さんが最後に強調したのは世間に散見される「安易な考え」への戒め、そして、医療関係者への感謝だった。
――及川さんは入院するレベルにまで悪化せずに回復なさったので、医学上の定義では「軽症」だったということになるかと思いますが、「コロナの軽症」って世間一般が思う「軽症」のイメージとは違いますよね。
及川:そうなんです。症状は皆さんそれぞれだと思いますが、私の場合は通常のインフルエンザよりもつらかったです。それと「不安」。どんどん症状が変わっていくし、初めてかかる病気なので、「何時間か後にはこういう症状になる」ということが全く分かりません。世間で「オミクロン株は感染しても軽症が多いから、大したことはない」といった主張をチラホラ聞きますが、「絶対にそんなことはない!」と申しておきます。
――そうした主張は確かにチラホラ聞こえてきます。
及川:コロナ後遺症について感染したことがある知人たちに聞いてみているのですが、人によって症状は様々のようで、後遺症というようなものは無かったという人もいますが、精神的に不安になったり、倦怠感と頭痛、咳、あと抜け毛があったりという話も聞きます。時間が経てば治ると言われてはいるようですが、個人差もあるようですし、治療法がないのが不安です。今現在、私の症状としては頭痛、めまい、咳、倦怠感が残っています。
――これからの仕事はどうされていきますか?
及川:今後は無理のないペースで仕事をしていくしかないようです。早く元のように何も気にせず頭を使いたいし、思いっきり運動したり身体を動かしたりしたいです。春には5年振りに舞台に復帰するので、そのためにも早く回復させなければと強く思っています。
――コロナ感染を経て、ほかに思うことはありますか?
及川:思ったのが、医療従事者の皆さんは本当に大変なお仕事をなさっているということですね。それから保健所の職員の方々。さっきも言いましたけど、本当に電話がつながらなかったんです。でも、つながったら、電話の先の皆さんはとても丁寧な対応でした。絶対疲れているでしょうけど、それでも丁寧だったのが本当に印象的でした。