静岡県下田市内の伊豆半島南部にあるリゾートホテル内で、韓国の人気音楽グループ「BTS(防弾少年団)」と同じ名前を付けた「BTS神社」が作られ、その音楽やメンバー写真を使って祈祷などが行われていると、ツイッター上で指摘があった。
BTSの所属事務所に無断で音楽や写真を使っているのではないかと、疑問や批判も相次いだ。これに対し、神社を設置したホテルは、「今後は写真の無断使用などに注意する」として神社のサイト上で謝罪し、「事業との境界線が相交わった」と説明した。
神社の拝観料は、お守り付きで2000円
この神社のサイトによると、神社は、リゾートホテル「BY-THE-SEA」の敷地内にある洞窟内で作られている。写真などの掲載時期から、2021年夏ごろにホテルが神社を設置したらしい。
洞窟の奥には、「BTS神社」と表示されBTSのロゴなどと同じ紫色の小さな鳥居があり、その後ろに、真珠貝をイメージしたようなオブジェがある。サイトの写真では、向かって右側にBTSメンバーの写真ポスターのようなものが掲げられていた。敷地内とみられる砂浜には、「BTS」の文字を使った別のオブジェもあった。
神社のサイトには、このホテルの代表者と見られ、宮司という男性の写真もあり、鳥居の前で紫色の神事用装束を着て、白いお祓い道具を持っていた。
神社の拝観料について、お守り付きで2000円とあった。特別な祈祷は、予約制で5000円からとなっていた。
ネット上では、男性から祈祷を受けたときの動画もいくつか投稿されている。その中で、男性は、BTSの代表曲「Dynamite」に合わせて数人のファンらと踊ったり、ファンらの前で「健康とご活躍を」などと唱えてメンバー写真をお祓いしたりしていた。
BTS神社の名前は、真偽は分からないが、ホテルの頭文字を取ったのではないかともされている。
拝観料については、「BTSファン特定に設定した訳ではない」
この神社について、ツイッター上で2022年2月20日、BTSのファンがいくつかの写真を投稿し、音楽や写真を無断で使っているのではないかと訴えた。この投稿は、大きな反響を呼び、3000件以上もリツイートされている。
J-CASTニュースは21日からホテル側に取材を申し込んでいたが、22日夕になって、ホテルの代表者が神社のサイトで「お詫び」を出した。
そこでは、「この度、世間をお騒がせ致しました事を深くお詫び申し上げます」と謝罪したうえで、「今後、写真の無断使用など細心の注意を致します」と説明した。
また、拝観料を取っていたことについては、「以前より参拝や相談者に対して頂いており、BTSファン特定に設定した訳ではありません。弊社の説明や表現不足により誤解や勘違いを招いてしまった事を深くお詫び申し上げます」と述べた。
そのうえで、「代表の私がBTSグループの個人的ファンという事と事業との境界線が相交わった事も認め反省しております。関係者並びにファンの方々に重ねてお詫び申し上げます」と締め括っている。
神社での音楽や写真の使用についてどう考えるかについて、J-CASTニュースでは、BTSの所属事務所「HYBE(ハイブ)」の日本法人にも21日から取材を申し込んでいる。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)