セブンイレブンの一部店舗で試験導入されている「空中レジ」が、利用者から驚きをもって受け止められている。
セブン&アイ・ホールディングスが「セルフレジのそのさらに進んだ形」として期待をかける会計方法だ。
光学素子でレジ画面を空中に結像
「思った以上に近未来的すぎてとても感動した」「ドラえもんの世界でした」「やってみたけど、なんで押せるのか不思議」「押した感ないから違和感すごい」
セルフレジの実証実験の体験者から、SNSで驚嘆の声が寄せられている。そのレジとは、非接触の空中ディスプレイ技術を使ったキャッシュレス決済専用POSレジ「デジPOS」だ。
セブンイレブンの都内6店舗で2022年2月1日から導入されており、セブン‐イレブン・ジャパン、アスカネット、神田工業、東芝テック、三井化学、三井物産プラスチックの6社が共同で展開している。対象店は非公表だが、J-CASTニュースでは千代田二番町店で確認した。
客は、浮いているようにみえるレジ画面の映像を通常のタッチパネル同様に操作できる。特殊な光学素子でレジ画面を空中に結像し、センサーで指の動きを感知する仕組みになっている。
アスカネットによれば、空中ディスプレイをPOSレジに採用した実証実験は世界初だという。
お会計セルフレジ→セルフレジ→キャッシュレス専用セルフレジ→デジPOS
セブン&アイ・ホールディングス広報は22日、J-CASTニュースの取材に、実験の狙いについて(1)新たな買物体験の提供(2)非接触ニーズへの対応(3)レジカウンターの省スペース化(既存レジの約7割のサイズ)(4)従業員の負担軽減――の4点を挙げた。
セブンイレブンでは現在、客がタッチパネルで会計操作をする「お会計セルフレジ」が最も多く導入されているという。
次の段階として、商品の読み取りから会計まで客が行う「セルフレジ」を、2026年2月末までに2万店以上ある全店舗に1台以上設置する計画をしている。「キャッシュレス専用セルフレジ」も併せて推進する。機械を入れ替える必要はなく、お会計セルフレジの仕様を変更すれば済むという。
新たに目を付けたのが、「セルフレジのそのさらに進んだ形」(セブン&アイ広報)と期待するデジPOSだった。
実験は年単位を予定する。対象店舗の拡大は未定。利用者や従業員の反応を収集し、導入の可否を検証する。