2022年度の予算案が22年2月21日に衆院予算委員会で採決され、自民・公明の与党と、国民民主党による賛成多数で可決された。新年度予算案は政権運営の柱のひとつで、それに野党が賛成するのはきわめて異例。独自路線をさらに加速させたとも言える。
与党は予算案の賛成を歓迎する一方で、他の野党からは「事実上の与党入り」といった批判が相次いだ。2月22日の玉木氏の定例会見では、今後の方針として「与野党どちらの立ち位置で行くのか」に関する質問も出た。玉木氏は、政権の一員ではないことを理由に「明確に野党」だと発言。ただ、党として「協力できる政党とは与野党を問わず連携」する方針を決めたことを受け、今後について「どのように映るかについては国民の判断に委ねたい」とした。
共産・小池氏「事実上の与党入り、与党宣言」
国民民主は21年秋の衆院選で、ガソリン平均価格が3か月連続で1リットル当たり160円を超えた場合、25.1円の課税を翌月から停止する「トリガー条項」の凍結解除を追加公約として主張。今国会でも主張を続けており、岸田文雄首相は22年2月18日の衆院予算委で、玉木氏に対して
「トリガー条項の凍結解除も検討から排除しない。しっかりと検討した上で、必要な措置を行っていく」
と答弁していた。国民民主としては、この答弁を踏まえて「『トリガー条項の凍結解除』によるガソリン値下げが実現する見通しとなった」と判断。一部議員からは異論が出たものの、異例の予算案賛成を決めた。
他の野党からは、国民民主が「野党」かを疑う声が相次いだ。立憲民主党の泉健太代表は、「予算の賛否というのは、総理の首班指名と同じぐらいに、非常に重たい」として、「本予算に賛成する野党というのはちょっと考えがたい」。共産党の小池晃書記局長は「事実上の与党入り、与党宣言ということになったと思う」と、突き放した。