日本対がん協会の見解
ポスターは22年2月中旬にSNSでにわかに注目を集めた。
乳がん経験者らから、当事者への配慮が足りないなどとして批判が次々に投稿された。過去の受賞ポスターも問題視され、賞自体の是非も議論となっている。
「女性は、なんでもデキル。仕事もデキル。恋もデキル。遊びもデキル。育児もデキル。乳がんもデキル」(第7回)
「おまえひとりの、おっぱいじゃないんだぞ」(第12回)
「僕の健康は、母の健康で成り立っている」(第13回)
「午前中、空いてるじゃない 行きなさいよ、乳がん検診」(第14回)
J-CASTニュースは21日、日本対がん協会に取材を申し込むと、同日に公式サイトで声明を発表した。
これまでの入選作品に対して問題点を指摘する意見が多く寄せられているとして、「選考の責任はわたくしども協会にあり、お気持ちを傷つけてしまった患者さんやご家族のみなさまにお詫びを申し上げます」と謝罪した。
また、「偏った価値観に基づいて作品が選ばれているとのご批判もいただきました。ご意見を真摯に受け止め、よりよい啓発活動のあり方を探ってまいります」としている。
(2月22日追記)日本対がん協会に21日、賞の審査基準やプロセスなどを尋ねると、広報・がん教育グループは次のように回答した。
「ご質問に対し、まとめてお答えいたします。デザイン大賞は、乳がんの早期発見の大切さを伝え、検診受診を呼びかけるとともに、正しい知識の習得と自分に合った適切な行動を促す作品を募集しており、その趣旨を踏まえて選出されたと認識しています]
「5段階ある審査の過程では、患者会審査を設けており、さまざまなご意見をいただいておりますが、審査過程については非公開となっており、詳細はお答えできません。ポスターについてご要望に応じ、協賛企業、自治体、病院などに送付しております」
「これまでに患者さんやご家族のお気持ちを傷つけたとのご意見や、偏った価値観に基づいて作品が選ばれているとのご批判をいただいております。お気持ちを傷つけてしまった患者さんやご家族のみなさまにお詫びを申し上げます。また、偏った価値観に基づいて作品が選ばれているとのご批判も含め、ご意見を真摯に受け止め、よりよい啓発活動のあり方を探ってまいります」