育児って「ママ前提」になってない? 父親が訴えた「子育て参加へのハードル」に反響

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   ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで注目された話題を厳選し、考察するコラムの第39回です。今回のテーマは「父親による育児の話」。Twitterではパパたちが育児の現場で直面している悩みについて、さまざまな声が挙がっています。

Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>

  • 男性の育児参加に心理的ハードル?(画像はイメージ)
    男性の育児参加に心理的ハードル?(画像はイメージ)
  • 男性の育児参加に心理的ハードル?(画像はイメージ)

「育児はママがするもの」という認識は根強い?

   先日、ライターのヨッピー(@yoppymodel)さんがツイートした「育児の現場で感じたこと」という話題が大きく拡散しました。

   ヨッピーさんは育児教室などで「育児の主体は母親」という前提で話をされることが多かったり、父親が参加できないものがあったりしたことから、夫婦で育児をしているのに、父親は透明化してしまいがちなのではないか――という疑問をnoteなどで投げかけています。

   最近では、「母親教室」だった名称が「育児教室」「パパママ教室」と変わる例もあるなど、育児の主体についての認識は変わってきてはいますが、まだまだ父親と母親の扱いは違っている、と感じる向きもあるようです。

<「育児ゴリゴリやるぞ~!」と意気込んでいたヨッピーパパが直面した、育児教室の先生や助産師さんがみんなママ主体で話をする問題「看護婦が看護師になったように淡々と変えればいい」 - Togetter>

「母子手帳」という名前にも違和感?

   過去には、赤ちゃんの発育の様子やワクチンの接種状況などを記録する「母子手帳」についても、その名称に違和感があると話題になったことがありました。今回の問題提起に関連して、再び注目を集めているようすです。

   しかし基本的に母子手帳は「生まれた子どもとその母の健康状態を管理するもの」なので、パパの存在を無視しているというわけではないんですね。

   父親向けの取り組みとしては、パートナーの妊娠中に注意すべき点や育児の手引きが掲載された「父子手帳」を発行している自治体もあります。

   また、赤ちゃんの健診の際も、母親に対しての質問が多いという意見もありますが、こちらも「赤ちゃんと同時に産後の経過や母親の健康状態をチェックしているから」だそうです。

<"母子手帳"の名前に違和感?さいたま市議の問題提起に「そもそも母子手帳とは」「名前変える以外にできることあるのでは」 - Togetter>

父親による育児にはこんなハードルも

   男性の育児へのさらなる参加や育休取得率の向上が望まれる一方、世間や会社からの理解が得られないことも多いようです。

   「男だけで子どもを連れているのはおかしい」という偏見のせいで、泣いている実子をあやしていたら通報されてしまったパパの話もあります。親として育児をしているだけなのに、あらぬ誤解を招くことがあるのはとても残念ですね。

<パパが大泣きするイヤイヤ期の娘さんを新幹線のデッキであやしていたら「誘拐かも」という通報があって警察に取り調べされた話 - Togetter>

   女性用のトイレにはある「おむつ交換台」が男性用のトイレにない、という話が注目されたこともありました。

   父親として積極的に子育てに参加したくても、育児に対する古い固定観念などから思うようにいかない場合はたくさんあり、社会全体の育児に対する考え方のアップデートが求められていると言えそうです。

<一歳児父親「男子トイレにおむつ交換台がないというツイートへの批判がモヤる、我々は社会を変えようと必死なんだ」 - Togetter>

育休をとった父親や夫婦の体験談にも注目が集まる

   実際に育児と向き合った男性はどう感じたのでしょうか。

   2年のあいだ育休を取り、双子の赤ちゃんをお世話した男性は「とにかく最初は不安だらけ。 でも慣れればできます。ほとんどのことは男性にでもできます」と、実感したことをツイート。さらに「育休の道を選んで本当によかった」と投稿し、大きな注目を集めました。

<2年間の育休を取った、とある双子のパパに賛辞が集まる一方、育休の問題に直面したパパの声なども - Togetter>

   夫が育休を取得している期間中、妻との交代制で赤ちゃんのお世話をしたというご夫婦のレポートも話題になりました。寝不足になりがちな新生児期も睡眠時間をしっかり確保できたそうで、身体的にも心理的にも理想の状態で育児に取り組めたと言えそうです。

<夫が3ヵ月の育休を取得して"シフト制"を導入したところ、8時間の睡眠が確保できた話「産後に寝不足は拷問レベル」 - Togetter>

個人や家庭内だけでなく、社会的理解やサポートも必要

   もちろん、個人や夫婦間だけで解決するのは難しい場合もあります。

   子育て支援が手厚いと評判の兵庫県明石市では「睡眠が不足していてつらい」と伝えるとすぐに保健師さんがかけつけてくれるなど、子育て世代への支援が充実しているという情報が拡散したことがありました。

<『明石市はほんとに子供関係に手厚い』睡眠不足に陥っている中、保健師さんに「眠れなくて辛い」と話したら神対応してくれた話 - Togetter>

<手厚い子育て支援で噂の明石市に引っ越して感じた事→福祉の手厚さより市民の気質が特徴的「子供がこけたら10人駆け寄る」 - Togetter>

   「父親による育児」が話題になりやすい理由として、次の3つが挙げられます。

・育児は多くの人が経験しうることであり、悩んだ経験などに共感が集まりやすい
・父親ならではの育児に関する問題が可視化されるという発見がある
・夫婦間にも社会環境的におまだまだ課題が多く、議論に発展しやすい

   以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。次回もお楽しみに。

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