観光需要が多いANA路線をピーチに振り替える
平子氏によると、コロナ禍の影響が厳しさを増してきた20年7月に、役員に対して「ANAのサバイバルプラン」を求めたところ、井上氏が提出したプランは「ピーチとのコラボーレーション」が、かなりの部分を占めていた。この点は平子氏と「考えが近かった」という。
ピーチとANAをめぐっては、21年10月末に始まった冬ダイヤで、ANAが運航してきた福岡-石垣線をピーチが引き継いだ。福岡-那覇、中部-札幌(新千歳)、中部-那覇の3路線はANAが減便し、その分ピーチが増便している。観光需要が多い路線をピーチに振り替えることで、収益の向上を図る狙いがあるとみられている。
平子氏は、こういった経緯を念頭に
「ピーチとANA、同じ航空事業のリソースを、もっと活用してやっていくときが来る。それは、地方路線のネットワークの充実という観点からも、これからも必要になってくると思う。(羽田と新千歳、伊丹、福岡などを結ぶ)幹線においても、相互乗り入れは『基本的にはカニバリゼーション(共喰い)になるんじゃないか』とみんな言うが、飛んでいない時間帯もある」
などとして、幹線でも時間帯によってはピーチに置き換わる可能性を示唆した。