総合格闘家の朝倉未来さんが、加工された顔写真が飲食店の広告として無断に使用されたことをめぐって、店舗責任者と対話のうえ、店側に「悪意はなかった」と怒りを鎮めた。
「ファンで、悪意はなかった」
朝倉さんは2022年2月15日に公開したYouTube動画で、「変な焼き肉屋が勝手に僕の顔をコロッケに変えて宣伝として使ってた」と報告していた。
動画で公開した広告の中央には、朝倉さんとみられる顔写真がある。トレードマークのサングラスを残して顔部分にコロッケの画像が合成された状態だ。広告を展開したのは兵庫県の焼き肉店だといい、
「僕を(広告に)使うのって、1クール何百万とか、何千万とかのレベル」
「それを勝手にやってて、しかも悪意のある加工をしてということで。これはふざけてる」
と伝える。続けて「訴えてもいいレベル」と怒りを表し、「美味くないからこういうことしてるんでしょうね」などと見解を述べた。
また炎上による売名を狙ったものではないかとも推測。朝倉さんは「僕的にはムカついてるので絶対行かないでほしい」と訴えた。
17日になって、朝倉さんは「コロッケ事件の当事者と電話してみた」と題したYouTube動画を公開した。
動画の内容は、焼き肉店のオーナーを名乗る男性から申し出があったとして、電話でやり取りするというもの。男性は朝倉さんに対し、
「まず一番最初に朝倉さんに直接...今回の僕の軽率な行動で不快な気持ちにさせてしまって、申し訳ございませんでした」
と謝罪。朝倉さんは事前のメールで男性から「ファンで、悪意はなかったってことを聞いた」として、名誉回復のために経緯の説明などを受けることに決めたとする。
写真を加工されたことは「どうでもいい」
男性によると広告が掲示されたのは焼き肉店の姉妹店にあたる弁当屋だったという。こちらも男性がオーナーを務める。当該広告を制作した経緯を男性は、
「昔から、飾らないけど強い、みたいな朝倉さんのイメージがありまして。コロッケも同じなんです。飾らないけど、うちのコロッケめちゃめちゃ美味しいんです」
「総菜の王様、みたいな。僕の偏った見方なんですけど...」
などと説明。「田舎の街なんで、まさか大ごとになると思ってませんでした」ともいう。広告は、インスタグラムに投稿したことで拡散された。穏やかに話を聞いていた朝倉さんは、
「試合で見て僕のことを好きで、コロッケに対しての思い入れが普通の人より強くて、コロッケは僕みたいな存在だったから、それに合わせたってことですよね」
と要約。写真を加工されたことは「どうでもいい」とし、問題点を、
「一番思うのは、僕の影響力って今まで凄い努力して積み上げてきたもので、宣伝とか色んな企業の方からお願いされますけど、そこには対価とかがしっかり支払われてて...だからその方たちにも申し訳ない」
と説明。自身が宣伝に使用されることによるファンらへの影響を懸念し、「信頼の部分もある」と苦言を呈する。
「次から訴えていきます」
朝倉さんは今回の広告について、炎上による売名を狙ったものではなく「悪意はなかった」と結論付ける。さらに、前回の動画で試食なしに店を「美味くない」と批評したことを謝罪。機会があれば訪れる意向を示した。
男性の行動について、「ほかの人が見たらどういう風に思うか、考えが至らなかった」と分析していた。視聴者に対しては、「次から訴えていきます」と悪質な模倣犯が出ないよう釘をさした。