2022年2月17日の北京五輪フィギュアスケート女子フリーに出演し、ドーピング騒動が取り沙汰されていたカミラ・ワリエワ(ROC)の今後について、アスリートから心配の声があがっている。
「胃が痛くなる」「彼女はこのような立場に置かれるべきではなかった」
渦中のワリエワは、ショートプログラムではジャンプ後の着氷にブレが生じるなどのミスもあったが、82・16点でトップに立った。しかし、フリーでは回転不足や転倒を重ね、141・93点で暫定4位に終わった。
演技終了後は、腰に手を当て青ざめた表情でリンクを去ったワリエワ。コーチに詰問される姿が拡散されたほか、キス&クライでは肩を震わせ号泣する姿もあった。完璧な演技から「絶望」の異名で呼ばれた姿はなく、明らかに精彩を欠いていた演技に対し、同情する声があがっている。
アメリカ代表のフィギュアスケーターでソチ五輪団体銅メダリストのアシュリー・ワグナー氏は、ツイッターでこう綴った。
「見てられないわ。みんな打ちひしがれているように見える。これは、この子たちが、あまりにも不健康で有害な立場に置かれていることを物語っている。胃が痛くなる」(和訳は編集部、以下同)
「この瞬間、あなたは純粋に『かわいそうな子』と言わざるを得ない。彼女はこのような立場に置かれるべきではなかった。氷の上にいるべきではないし、自分より大きな問題の矢面に立つような立場に置かれるべきではなかった」
15年四大陸選手権覇者でアメリカ出身のフィギュアスケーター、ポリーナ・エドモンズ氏は、今大会がワリエワ選手にとってトラウマになるだろうと述べた。
「ワリエワにとって、非常にトラウマになるようなオリンピックの経験だった。彼女は出場を許されるべきではなかったし、このような状況に追い込まれたことは、あらゆる面で破壊的だ」
ワリエワだけでなく、ROC代表の2選手も同じコーチ陣のもとで練習していることから、完璧な演技を見せた両選手に対する皮肉も綴っている。
「今日のカミラのスケートは、あのような技術的な内容を担う女性にはもっと見てもらいたいスケートだと思う。非常に難しい。他の2人のロシア人選手は、同じコーチングチームの選手なので、どんな『合法的な』酸素ブースターを使っているのか気になるところです)」
エドモンズ氏は、選手自身ではなく、あくまでも審査制度やチーム体制に問題があったとしている。
「誰かに怒るのなら、審査制度に怒ればいい。このような事態を招いたのは彼らなのだから。国全体ではなく、健康よりもメダルを優先するコーチングチームに怒るべきだ。このチームの独占によって苦しめられたクリーンなアスリートもたくさんいる」