北京冬季五輪女子フィギアスケート韓国代表選手への日本人コーチの対応が韓国で話題を呼んでいると、複数の韓国メディアが2022年2月16日に報じた。
フィギュアスケート女子シングルス・ショートプログラム(SP)が15日に行われ、韓国代表のホープ劉永(ユ・ヨン、17)が70.34で6位に付けた。
頬を叩かれ「一瞬で緊張が解けた」
話題となったのは、演技直前に劉のコーチを務める濱田美栄氏と劉のやりとりだ。濱田コーチは劉の頬を両手で挟み3度叩いてリンクに送り出した。
韓国主要メディア「朝鮮日報」は、劉が試合に出る前、コーチの珍しい励ましが視聴者たちの注目を集めたと伝えた。
記事では劉は五輪初出場で緊張した面持ちだったが、劉がリンクに出る前に濱田コーチが彼女の頬を3回たたき、硬い表情だった劉は笑顔を見せ、大きなミスなく演技を終えたと指摘している。
同メディアによると、劉は試合後に濱田コーチが頬を叩いた理由を明かしている。
試合前に劉の母親が濱田コーチと連絡を取り、試合本番で劉が緊張して落ち着きがなかったら頬を叩いてほしいと願い出た。濱田コーチは頬を叩く際にそのことを劉に伝えたという。頬を叩かれた劉は「一瞬で緊張が解けた」と振り返った。
劉「大きなミスをせずに演技を終えたことに満足している」
地元メディア「スポーツ韓国」は、なぜ濱田コーチが頬を叩いたのか疑問だったが、劉の説明を聞いて皆がうなずくしかなかったと指摘した。
試合後、劉は「リンクに上がった時、後悔しないで楽しんで滑るという気持ちを持ち、ママのメッセージで大きな力を得ることができた。大きなミスをせずに演技を終えたことに満足している」と話した。
濱田コーチは元フィギュアスケートの選手で全日本選手権に出場した経験を持つ。現役引退後は指導者に転身し関西圏を中心に活躍。コーチとして本田真凛(20)や紀平梨花(19)ら多くの選手を指導してきた。
劉は17日に行われる女子シングルス・フリーで韓国勢として14年ソチ冬季五輪の金妍児(キム・ヨナ)以来の表彰台を目指す。