ドーピング騒動の渦中にいるフィギュアスケートのカミラ・ワリエワ(ROC、15)を韓国メディアが痛烈に批判している。
ワリエワはドーピング違反が発覚したもののスポーツ仲裁裁判所(CAS)から今大会の出場が認められ、15日に行われた女子シングルス・ショートプログラム(SP)で82.16点をマークして首位スタート。17日に行われるフリーの優勝候補となっている。
キム・ヨナ氏はインスタで批判
韓国メディア「NEWSIS」(WEB版)は「ワリエワ『歓迎されない』金メダルに挑戦する」などのタイトルで記事を公開。17日のフリーはドーピング問題で波紋を広げたワリエワが出場するので世界の視線が集中するだろうとし、その視線は依然として冷たいと指摘した。
そしてワリエワは今大会で最も輝くスターのひとりに挙げられていたが、ドーピングスキャンダルによって堕落したとしている。
「朝鮮日報」(WEB版)は、米メディアの報道などを引用してワリエワのドーピング騒動を解説。スポーツ仲裁裁判所(CAS)の公聴会でワリエワ側が心疾患のある祖父と同じグラスを使用したため禁止薬物が混入したと主張したことを「卑劣な言い訳」と非難した。
韓国では10年バンクーバー五輪金メダリストの金妍児(キム・ヨナ)氏が14日にインスタグラムに「ドーピング違反をした競技者は試合に出場することが出来ない」などと投稿し、国内では多数のフィギュア選手が同調している。
韓国ネット「北京オリンピックではスポーツ精神は見られない」
また、地元メディアによると、15日に行われたSPを韓国放送局のKBS、SBS、MBCがそれぞれ中継したが、KBSとSBSの解説委員はワリエワのプログラムを通じて沈黙を貫き抗議の姿勢を見せた。MBCの解説委員は技術の簡単な説明だけを行い、ワリエワの出場が公正ではないと指摘した。
「中央日報」(WEB版)は、このような地元放送局の抗議姿勢に対する国内のインターネットユーザーの反応を取り上げ「死んだオリンピック」などのタイトルで記事を公開した。
同メディアによると、韓国のインターネットユーザーからは「ルールを破ればアウトだよ」「スポーツ仲裁裁判所は何のために存在するのか?」「北京オリンピックではスポーツ精神は見られない」「今回のオリンピックは一体なぜこんなに失望することが多いのか...」などのコメントが上がったという。
SP首位のワリエワはフリーで第4組に出場し最終滑走となる。