会場がどよめき、演技を終えた各国選手が続々と集まって...。北京五輪スノーボード女子ビッグエアの決勝で、4位に入った岩渕麗楽(れいら)選手(20)を讃えるライバル選手らの姿に、夏の東京五輪スケートボード岡本碧優(みすぐ)選手(15)の感動シーンを思い出したという声が、ネット上で相次いでいる。
メダル圏内を狙うべきか、あくまで金を目指すべきか――「テッペンを目指したい」と話したという岩渕選手は、4位で迎えた最後の3回目に敢えて後者を選んだようだ。
解説者も思わず「いや~、攻めましたね。凄い」
ジャンプ台から飛び出すと、頭から後ろに回転する豪快な技を繰り出す。迫力あるトリックだ。
「縦に3回入れてきた!」。アナウンサーが絶叫し、見事着地かという瞬間、岩渕選手は尻もちをついて転倒してしまう。
立ち上がると、岩渕選手は、頭を少し抱えて悔しそうな様子を見せる。「いや~、攻めましたね。凄い」。解説者がこう漏らすほどの大技だった。
ゴーグルやボードを外し、岩渕選手が笑顔も見せると、別の選手が駆け寄ってきた。岩渕選手も駆け寄り、お互いに熱いハグを交わす。
すると、他の選手も続々と集まってきて、10人近くが岩渕選手を囲み、みなでハグしながら、そのチャレンジを讃えるような言葉をかけていた。
スポーツ紙の報道によると、岩渕選手が2022年2月15日決勝の3回目でかけた技は、女子では史上初という縦3回転の超大技トリプルコークだ。正確には、斜め軸の後方3回宙返り技「トリプルアンダーフリップ」という。
転倒したため、メダルには届かず、4位という結果になった。平昌五輪のときと同じ結果に悔し涙を流したが、前日の予選で左手甲を骨折した中でのチャレンジだったことも明かした。各国選手からハグされたことについては、「一緒に競ってきた選手。喜んでもらえてよかった」と話していた。
果敢に頂点を目指した岩渕選手に対し、ツイッター上などでも、賞賛の声が相次いでいる。