誰もが、ともに働ける未来を 「ソーシャルファーム」東京都から日本全国へ

提供:東京しごと財団

1つ1つのソーシャルファームと伴走する、支援担当者の「熱意」

認証ソーシャルファームを紹介する篠田さん
認証ソーシャルファームを紹介する篠田さん

   認証ソーシャルファームの声も聞いてみた。制度開始以前から就労困難者を受け入れていたある企業は、

「助成金がなければチャレンジできない雇用に踏み切ったので、とても感謝しています。事務作業の不慣れな面など、担当の方に手厚くフォローしていただいている」

と話す。また、新たに認証を受けた別のソーシャルファームも

「『ソーシャルファームって何?』という質問をよく聞くようになりました。今までは存在すらも知らなかったという状況から、少し進歩したかの様に感じます」

と、周囲が変化しつつある様子を伝える。

認証ソーシャルファームの例(美紘建興株式会社)
認証ソーシャルファームの例(美紘建興株式会社)
認証ソーシャルファームの例(一般社団法人アプローズ)
認証ソーシャルファームの例(一般社団法人アプローズ)
認証ソーシャルファームの例(NPO法人東京ソテリア)
認証ソーシャルファームの例(NPO法人東京ソテリア)

   新たな概念を浸透させるには、そこにかかわる人々の熱意が大切だ。篠田さんとともに働く、雇用環境整備課ソーシャルファーム支援係の島根みずき主任は、ただ補助金を出すだけでなく、事業者と「伴走」する重要性を語る。

「1つのソーシャルファームには、5年間で8000万円(上限)と、少なくない額が補助されます。6年目に自律経営していただくためには、補助金を出して終わりではなく、どれだけ事業者さんに寄り添い伴走できるかが大切です。チーム内で情報共有を欠かさず、コンサル支援も中小企業診断士などに丸投げするのではなく、担当者が同行するようにしています」(島根さん)
東京しごと財団・島根みずきさん
東京しごと財団・島根みずきさん

   篠田さんもまた、自らが手掛けた条文に、ソーシャルファーム定着への思いを込めた。

「条例の前文は『ここに、就労を希望する全ての都民がその個性と能力に応じて働くことができるよう応援し、誰一人取り残されることなく誇りと自信を持って輝く社会の実現を目指し、この条例を制定する』と結びました。支援ではなく『応援』。海外の事例を見て、『こういう社会になるために、ソーシャルファームが根付いたらいいな』と思いながら書きました」
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