会話をしたくない客向けに美容院が用意したプランが、SNSでにわかに支持を集めている。
美容予約サイト「ホットペッパービューティー」を運営するリクルートによれば、話題を受けて"黙カット"を取り入れる店が急増しているという。
「カット+会話なし、美容師とのコミュニケーションが苦手な方へ」
話題となっているのは、東京都内の美容院「hair-works-credo クレド」の特別メニューだ。
ホットペッパービューティーのメニューで「カット+会話なし、美容師とのコミュニケーションが苦手な方へ」「カット+静かに(会話少なめ)、美容師との会話が苦手な方へ」と表記し、会話量を差別化要素として打ち出している。
この店がツイッターで2022年2月8日に紹介されると、3万4000リツイート、18万いいね以上を集め、「行きつけの美容院でもやってほしい」「こんなのメニューにあったら絶対利用する」とニーズの高さをうかがわせる反応が続出した。
J-CASTニュースがホットペッパービューティーで調べると、同様の取り組みをしている店はほかにも見つかった。さらに、こうした需要を見越してか、予約画面ではサイトの仕様として「(スタイリストと)なるべく楽しく話したい、なるべく静かに過ごしたい、特にこだわらない」の3択から選べる欄もある。
リクルート広報部は取材に対し、要望欄は2007年4月のサービス開始当初から導入していたと明かす。スタイリストへの要望を伝える利用者の中で、約4割が「なるべく静かに過ごしたい」を選ぶという。
「話題のあのメニュー導入」
SNSでの反響に、店側は敏感に反応しているという。
話題になる前は、「会話なし」をうたうクーポンは10ほどだった。しかし、2月10日~14日にかけて150に急増したという。
実際、複数の店のページで「話題のあのメニュー導入」「ツイッターで話題沸騰の会話なし会話少なめメニュー予約メニューに入ってます」などとの告知が見つかる。
中には「コロナ禍でなかなか髪の毛を綺麗にしに行けないというかたのお話を多く聞きます(中略)そこで思い切って、美容室に来ても全く会話をしないなら感染のリスクも抑えられるし、美容室での会話が苦手という方でも安心してご来店いただけるようにと会話なしで施術を受けられるメニューをご用意いたしました」と、新型コロナウイルスの感染防止の観点も踏まえ導入したとするケースもあった。
ホットペッパービューティーアカデミーが2021年2月に行った調査(15~69歳の男女1万3200人対象)によれば、コロナ禍でサロンに求めるもので「サロン内での会話が少なく済む」を挙げた人は約5%いた。
前述のツイートにも、「疲れているときは会話少なめ希望かな。いまだとコロナの心配もあるし」「このコロナ禍で会話が少ないというのも最高だと思います」といった意見が寄せられていた。