「本物」に価値を見出して
2年前からの新型コロナの感染拡大の繰り返しはカールモールにも当然影響を及ぼしている。毎週水曜日に17時30分から営業していたバータイムも現在では不定期開催に。そこで活路を見出したのが撮影スタジオとしての用途だ。
「クラシカルな内装や壁紙に惹かれる方が多いですが、撮影用の作り物ではなく50年前から現役で使われてきた本物の空間ということに価値を見出してくださっているのかなと思います」
5~6年ほど前から内装を活かして映画やドラマの撮影に使う機会があったが、近年は撮影利用により力を入れ、商材写真・個人のポートレート・コスプレ撮影など用途は多岐にわたる。「店内のアイテムで例えば、電話ボックスは昔は本物の公衆電話を使っていて電話がかけられました。ただその後モノ置き場になっていたのですが、清掃して再び人が入れるようにしたら『写真映えがすごい!』と興味を持っていただけています」
撮影場所としてサロンを貸し出すだけでなく、戦前・戦後風のレトロ衣装の貸出利用もできる。SNSや口コミ経由でアピールを図ってきて、前述の1月26日のツイートをきっかけに実際に問い合わせも来ているとのことだ。
「コスプレ界隈の人達にもものすごく届いているようです。皆さんが使っていただくのはこれからなので、どんな風に使っていただけるのかも気になりますね(笑)」
約20年前の出会いがきっかけで小林さんの人生も様変わりした。当時は音楽活動と仕事を兼業していたが、サロンの経営にかかわるようになり、今では2代目としてこの場を引き継いでいる。「せっかくマスターが50年続けてきたので、私が頑張って100年続けたいと思います」と店を盛り立てていく意欲は盛んだ。
【J-CASTニュース編集部 大宮 高史】