「厳しさが足りていないとも感じたから、選手の前で発信したのだと思います」
もちろん、暴力を美化してはいけない。ただ勝利に執着する監督の姿が選手たちにも伝わり、ベンチには常に緊張感が漂っていた。死球などによる乱闘騒ぎでも中日の選手たちは一歩も引かず、外国人選手に向かっていった。
「当時の選手と今の時代の選手では性格の気質も違います。指導法や引き締めが厳しすぎると委縮してしまうことを立浪監督は分かっている。ただ厳しさが足りていないとも感じたから、選手の前で発信したのだと思います。
常に糸をピンと張っているわけではなく、力みすぎている選手をリラックスさせる言葉を掛けたり、選手たちの心をうまくつかんでいるように感じます」(前出のスポーツ紙記者)
13年以降の9年間でBクラスが8シーズンと低迷期が続いている中日。厳しさを取り戻し、セリーグの主役になれるか。
(中町顕吾)