「コロナ禍のコミケ」知られざる舞台裏 11万人参加も「本来の姿ではない」...運営が語った葛藤

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C100への意気込み

    ――イベントを終えた、今のお二人の気持ちをお聞かせください。

市川さん:「今はもう次に向かってどうするか、夏に向かって頑張らなきゃという気持ちに切り替わっています。C99をやれてよかったし、一つの壁を乗り越えた。2年間のモヤモヤや苦労がいったん晴れた。このハレた気持ちのまま、より良い次の夏を目指していきます」
安田さん:「イベント後1月10日過ぎぐらいまで、発症される方がいらっしゃったらと気が休まらないでいました。このドキドキしていた2週間が過ぎて、少しほっとしています。
まだ夏をどうするのかというのは決まっていませんが、1回やれたという事実は次につながっていくと思っています」

    ――2年ぶりの開催で印象的だった出来事はありましたか。

市川さん:「2年ぶりに久々に会う人がかなりいて、そういった方々から『嬉しいね』といった声が寄せられ、非常にありがたいし勇気をもらえました。実施できたこと、会場で出会えた出会えた笑顔が大きなパワーとなり、『ハレの日』になったと感じました。なので、この笑顔を見られるイベントを続けていくために、頑張っていきたいですね」
安田さん:「最終日に、撤収などを手伝い残ってくださった方が200人近くいらっしゃいました。中にはチケットに当選しなかったから、片付けだけ来ましたという方もいらっしゃいました。わざわざ12月31日の夕ぐれの撤収のためだけに。
そういった方の話を聞いて、なんか泣けてきましたね。改めて本当に『やってよかった』と非常に強く感じられました。またこの気持ちを忘れずに続けていきたいです」

   市川さん:「ちゃんと感染症対策をしたから来場したという人もたくさんいて、良かったなと思う反面、『参加のハードル上がったよね』という声もいただいています。
当然両方の意見が出るとは思いますが、クラスターなどが発生してしまった場合、全てが台無しになってしまうわけで。皆さんの声を聴いていると、やることをやってやれてよかったなという気持ちはあります」

    ――次回第100回(C100)への意気込みや、今後の展望をお聞かせください。

市川さん:「C100も感染症対策にしっかり取り組みながら、この状況下でどれだけ多くの一般参加の方を迎え入れることができるかということを課題にしていきたいなと思っています。様々な試行錯誤を再びしながら、みんなから『C100 やれてよかった』、『ついに3桁を達成できたね』って言ってもらえるよう頑張ります」
安田さん:「C100は記念すべき回なので、本当はC95を超えたあたりから何か楽しいことをやりたいと話し合ってきました。そしたらこの2年間足踏み状態となってしまった。そして次回、おそらくまだ元には戻せない。
本当は来たい人全員が来て、みんなでC100を祝いたかったのですが、これは現在難しいと思っています。手放しでは喜べないところはありますが、そんな中でもできることを少しずつ広げていき、より良い開催を目指しています。
やっぱりコミケは、ハードル高いイベントになっちゃいけないと思っているんですよ。来たい人が誰でもふらっと訪れられることが理想ですから。みんなが来れるようなイベントを作り上げていけるよう、しっかり考えていかなきゃと思っています。
次回の100に関しては、できる限り元に戻していくためのその2歩目という形になると思います。次回もこの先も、一生懸命に取り組んで、参加者の皆さんが楽しんでいってもらえるイベントにしていきたいです」

   準備会は1月31日、次回「コミックマーケット100(C100)」を8月13日と14日に開催とすると公式サイトで発表した。従来は3日間開催だが、炎天下でマスクを付けねばならない参加者の体力の問題や、コロナ禍によるスタッフ不足などを考慮し、今回は2日間の開催を予定している。

   次回も引き続き有料チケット制を導入するものの、来場数は1日当たり8万~9万人に増やす。感染症対策としては、「ワクチン・検査パッケージ」、もしくはそれに準じる施策を講じるとしている。それに伴う検温などの感染症対策の実施スペースを用意するために、企業ブースの数は前回から半減するとのことだ。

   準備会は発表で、次のように呼び掛けている。

「今できる形でのコミケットを全ての参加者の皆さんと作るため、C99に続きC100もお願いすることの多い開催となります。依然として制約が多く不自由ではありますが、より多くの参加者に来場していただき、同人誌を中心とした多様な表現に出会うことのできるリアルな『場』を生み出し、未来につなげていくための第二歩としていきたいと考えています。参加者の皆さんには、引き続き少なからずご負担をおかけしますが、ご理解とご協力をお願いします」
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