フィギュアスケート男子フリーが2022年2月10日に行われ、五輪3連覇を狙った羽生結弦(27)は188.06点をマークし、合計283.21点で4位に終わった。
ショートプログラム(SP)8位と出遅れた羽生は、フリーの冒頭に挑んだクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)で転倒。逆転優勝をかけた大技に失敗し、SPから大きく順位を上げたものの惜しくも表彰台を逃した。
中国コメンテーター「世界中の聴衆の悲嘆だ」
中国に多くのファンを持ち、北京入りしてから地元メディアの注目を浴び続けた羽生。中国メディアは羽生の試合結果を速報で一斉に伝えた。
地元メディア「新浪体育」(WEB版)は、速報の他に羽生に関する記事をいくつか公開し、五輪3連覇の偉業を目指した羽生を「フィギュアスケート史上唯一のヒーローだった」と表現した。
別の記事では中国の有名なスポーツコメンテーター黄建翔氏のコメントを紹介した。黄氏は羽生の演技終了直後に中国版ツイッター「ウェイボー」にコメントを投稿し、「彼(羽生)が成し遂げることが出来なかったのは世界中の聴衆の悲嘆だ」などとつづった。
ポータルサイト「捜狐」は、中国の元フィギュアスケート女子代表で五輪2大会連続銅メダリスト陳露さんのコメントを紹介した。
羽生「正直これ以上ないくらい頑張ったと思います」
陳露さんは「どんな挑戦でも彼は自分自身に挑戦したいと思っています」とし、「彼はオリンピックの精神を完全に体現しています。より高く、より速く、より強く」などとコメントした。
また、「騰迅体育」(WEB版)は羽生がクワッドアクセルに果敢に挑み転倒したことに触れつつ「失敗しても最も華やかな桜です」と表現し、「羽生は人間のスポーツの歴史の中で英雄であり一流の武道家のようなものです」と最大の賛辞を送った。
羽生は試合直後のテレビインタビューで「一生懸命頑張りました。正直これ以上ないくらい頑張ったと思います。報われない努力だったかもしれないですけど。でも確かにショートからうまくいかないこともいっぱいありましたけど、むしろうまくいかないことしかないですけど今回。でも一生懸命頑張りました」などと語った。