宮崎県のスーパーマーケット「ナガノヤ」で販売されていた訳アリ商品の終売理由が「喜ばしい」とツイッターで注目を集めている。
終売となった商品は、大判焼きのような和菓子「ドラムスコの失敗作」。製造スタッフの技術が向上したため、失敗作を販売できなくなったのだという。
J-CASTニュースは2022年2月8日、「ナガノヤ」を運営する株式会社永野(宮崎市)のツイッター担当者に発売から終売までの経緯を取材した。
「失敗作ができなくなった為、販売終了となりました」
「ドラムスコの失敗作」は21年11月19日にスーパー・ナガノヤの新富店で発売された。同商品を発売した理由について、永野の甲斐丈寛本部長は次のように説明する。
ある日、社長の永野雄太さんが倉庫で眠っていた焼き型を発見し、せっかくだからと、その焼き型を用いて大判焼きのような和菓子を製造した。小麦粉の生地の間に、甘さ控えめのあんこを挟んでいる。永野社長はこの和菓子を「ドラムスコ」と名付けた。
発売当初は製造に不慣れだったため、規格外品もできてしまった。しかし永野社長が「ドラムスコの失敗作」という名で規格外品を販売することを提案し、店頭に並ぶこととなった。正規品であるドラムスコは79円、規格外品である「ドラムスコの失敗作」は70円で発売された。
「ドラムスコの失敗作」は発売から3か月で約2000個が販売された。しかし22年2月7日、終売が発表された。永野は公式アカウントで次のように発表した。
「新富店のみ限定販売していた『ドラムスコの失敗作』は、製造スタッフの技術が向上し、失敗作ができなくなった為、販売終了となりました。ありがとうございました」
終売を伝えるツイートは8日19時現在までの間に、3万5000件以上のリツイートや16万8000件超の「いいね」を集め、「こんな前向きな販売終了のお知らせ初めて聞いた」「何このハッピーな販売終了!おめでとうございます!」「すごい!製造スタッフさんの努力が...!」などと祝福する声が寄せられている。
スタッフ「今では自信を持って製造しています」
甲斐本部長によれば、製造スタッフは綺麗に製作するために次のような努力を続けていたという。
「『綺麗に丁寧に』を毎日の目標にして製造していました。焼き加減の調整、皮の厚さの調整、作業のスピードアップ等を工夫しました」
技術向上による終売に、ツイッターで大きな反響があったことについて甲斐本部長は「正直、驚いております」と述べる。
さらに製造スタッフは、喜びを露わにし、次のとおりコメントを寄せたという。
「当初は失敗が多く、ご迷惑をお掛けしておりましたが、今では自信を持って製造しています。会社に貢献できて嬉しいです」
(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)
お知らせ
— ナガノヤ ウメコウジ【公式】 (@naganoya_yuta) February 7, 2022
新富店のみ限定販売していた「ドラムスコの失敗作」は、製造スタッフの技術が向上し、失敗作ができなくなった為、販売終了となりました。
ありがとうございました。 pic.twitter.com/ebd5LW0Llb