北京五輪のフィギュアスケート男子で94年ぶりの3連覇を目指す羽生結弦選手(27)の動向に、現地メディアからも注目が集まっている。
「中国と日本の両方で人気のある珍しい選手」だとして、4回転アクセルジャンプ(4A)の成功に注目が集まっていることや、羽生選手の人となりを伝えている。
羽生選手の動静に飢えて検索→「羽生結弦」が「トレンド」入り
羽生選手は2022年2月8日に行われる男子ショートプログラム(SP)で、30人中21番目に出場する。第4グループの3番目で、日本時間13時19分に登場予定だ。演技を前日に控えた2月7日には、国営の中国中央電視台(CCTV)のウェブサイトも羽生選手の特集記事を配信している。
記事によると、2月初旬には「羽生結弦」という単語が中国のSNS「微博(ウェイボー)」の「トレンド」入りした。その理由は「羽生選手の動静があったからではなく、なかったから」。中国のファンが羽生選手の情報に飢えたことが原因のトレンド入り、というわけだ。
「中国と日本の両方で人気のある珍しい選手」だとも紹介されている。そのエピソードのひとつが、羽生選手のライバルとして知られる中国代表の金博洋選手とのものだ。金選手がパフォーマンス後に上手く国旗を広げられないのを見て羽生選手が手伝ったり、中国語で「天天、加油」(天天(=金選手の愛称)、頑張って)と励ましたりしたことが、中国のファンの印象に残っているようだ。15年に「感謝中国」と中国語でサインしたことも紹介されている。
羽生選手をめぐっては、21年10月に中国外務省の華春瑩報道局長(当時)が、ファンに向けて日本語で
「『現地応援は中国の皆さんに託す』との声を目にしました。お任せください!そして中国の新型コロナ対応へのご理解、ありがとう!冬季五輪・パラ共に、日本を含む各国選手の方々をしっかりと応援します。東京五輪に続いて、北京冬季五輪も成功に向けて頑張ります!」
とツイートしている。北京五輪では海外からの観客を受け入れないことが決まり、応援に行けないファンから嘆きの声が相次いだことを受けたツイートだ。羽生選手は、日中両国のファンの期待を背に演技に臨むことになる。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)