北京五輪ノルディックスキー・ジャンプ混合団体代表の小林陵侑選手が、チームメイトの高梨沙羅選手へ送ったコメントが感動を呼んでいる。
高梨選手は、スーツの規定違反によって1回目のジャンプが失格扱いとなった。テレビの中継には、そのことを知ってうつむき泣き崩れる高梨選手の姿も映っていた。
小林陵侑「もう......たくさんハグしてあげました」
高梨選手は103メートルを記録した1回目のジャンプ後、ランダムに行われる検査の対象となり失格となった。スーツの両太もも部分が、規定を2センチ上回ったという判断だ。
失格が告げられ、強いショックを受けた様子の高梨選手は、日本チームのほか、他国の選手からも励ましを受けていた。
失格分の得点は無効となったが、高梨選手は2回目のジャンプで98メートル50センチを記録。最終的に、日本は合計836.3点の4位で競技を終えた。3位のカナダには8.3点届かなかった。
そうした競技の中で注目を集めているのは、団体戦最後、2回目のジャンプを終えた後の小林選手の行動だ。
高梨選手は106メートルのジャンプを決めた小林選手の姿を見届けると、拍手をしながらしゃがみ込んだ。発表された点数を確認した小林選手は、高梨選手のもとへ歩み寄り優しくハグをして励ました。
高梨選手はヘルメットを被っており表情は読めないものの、小林選手の呼びかけに何度も頷いていた。
試合直後に行われたインタビューでも高梨選手を称えた。
「みんなすごいですね。2本目、沙羅もすごくいいジャンプしていましたし、本当に強いなって思います」
続けて、「高梨選手にどんな言葉をかけたいですか?」との質問には、
「もう......たくさんハグしてあげました」
と頷いた。