環球時報、「韓国政界は時代錯誤」の部分を太字で引用
中国メディアも、この問題を黙殺しているわけではない。ただ、問題が沈静化していることを強調する報道ぶりだ。例えば中国共産党系の環球時報が2月7日午前に配信した記事の見出しは「開会式で韓国の誰かが煽った『韓服論争』、韓国政府3部門が緊急収束!」だ。
記事では、開会式が「多くの国際メディアから賞賛と評価を得た」とする一方で、韓国側の騒動について
「一部の韓国人記者は、開会式での朝鮮族の衣装や長太鼓に注目した報道を行い、韓国日報など一部のメディアは『中国が文化工程を行おうとしている』と非難した。韓国の政治家や国民感情をあおることを生業とするいわゆる『学者』が憶測で追随している」
などと紹介している。記事ではその後の展開もフォロー。
「ポピュリズムに基づく誤った世論に直面し、韓国政府は説明に踏み切らざるを得なかった」
として、上記の朴議長の対応や、韓国外務省関係者の
「韓国は中国側に対し、互いに固有の文化を尊重し、文化の多様性を尊重した上で相互理解を促進する必要があるという立場を明らかにし続け、今後も相応の努力を続けていく」
といった談話を紹介している。
さらに、「韓国でも冷静な声が聞かれるようになってきた」として、開会式の演出への非難が妥当ではないと指摘する韓国メディアの報道も伝えている。引用された記事のひとつがハンギョレ新聞のコラムで、
「特に反中感情に便乗し、我先に非難の声をあげる韓国政界の姿は、どこもかしこも『元祖』だと主張する飲食店の看板のように時代錯誤的だ」
という部分は太字のフォントで強調して引用するほどだ。ハンギョレの記事は
「与野党が一様に国民感情を刺激する姿は、嫌悪の競争でも繰り広げているかのようだ。世界を魅了した韓国文化の力は自由、包容、多様性から生まれる。あえて排他的所有権を主張し、消耗的論争をする理由はない」
とも説いている。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)