日本ハムを退団した秋吉亮が、日本海オセアンリーグ・福井ネクサスエレファンツに入団することが、2022年1月31日に発表された。
通算379試合登板とセットアッパー、抑えで活躍してきた救援右腕はNPBで移籍先を探したが、獲得に名乗りを現れる球団がなかったため断念した。
昨季は防御率2.70だったが...
秋吉は球団の公式サイトを通じ、「この度、福井ネクサスエレファンツに入団することになりました。1試合でも多く投げ、地域の皆様、ファンの皆様に感動をお届けできるよう頑張ります。新球団、新リーグを盛り上げていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします」とコメントしている。
ヤクルトで1年目から3年連続60試合以上登板。15年には球団記録の74試合に登板して22ホールドとリーグ優勝に貢献した。
18年オフにトレードで日本ハムへ。移籍初年度の19年は25セーブと守護神として活躍したが、翌年以降は登板機会が減少。昨年は10試合登板で0勝0敗、防御率2.70だった。
日本ハムは秋吉が国内FA権を保有していることを尊重したとして、移籍しやすくするため来季の契約を提示せず、保留手続きを行わないことを発表。同様に退団が発表された西川遥輝は楽天、大田泰示はDeNAへの移籍が決まったが、秋吉は所属先が決まらず。日本ハムと再契約の可能性もあったが、復帰することはなかった。
「ノンテンダーという言葉ですり替えているように感じる」
「水面下で再契約に向けて交渉して契約が折り合わず破談になったのかもしれませんが、ファンからすれば他球団で所属先が決まらなかった時点で日本ハムが再契約を結ぶと考えるでしょう。
保有権の放棄はメジャーで『ノンテンダー』と呼ばれます。ただこの手法は、年俸の抑制を狙う球団と、移籍を視野に入れる選手の双方にメリットがある。秋吉の場合は事実上の戦力外通告にもかかわらず、球団のイメージが悪くなるので、ノンテンダーという言葉ですり替えているように感じる」(スポーツ紙デスク)
選手の移籍が盛んなメジャーリーグでは「ノンテンダー」を各球団が導入しているが、日本球界では日本ハムの稲葉篤紀GMが今回の一件で発言するまでなじみがなかった。
秋吉の気持ちを推し量り、球界内でも同情的な見方が少なくない。球団と選手の契約形態は変革期を迎えているのか、この機会に見つめ直す必要があるだろう(中町顕吾)