女性差別?男性差別? 両方から指摘あがる
現場では好意的な声もあるという女性専用駐車スペース。しかし、ネット上の反応は対照的だ。21年11月、女性専用駐車スペースが設けられていた駐車場の写真がツイッターで投稿されると、厳しい指摘が相次いだのだ。
例えば、女性だけに専用の駐車スペースが設けられることで、女性は運転が下手だとの偏見を与えているというものや、男性にとって不公平なのではないか、というものなどだ。中には「女性を変に差別しているように見える」「男性差別だからやめてほしい」と、「差別」という言葉を用いて指摘する人もいた。
こうした「性差別的」との指摘に対する受け止めを21年12月、B駐車場の運営会社に聞いたところ「買収した経緯があるため、女性専用駐車スペースに対する認識等についてお答えできません」とのことだった。
ジェンダー論の専門家は、指摘をどう見ているのだろうか。J-CASTニュースは22年1月14日、東京大学大学院でジェンダー論を研究する瀬地山氏に話を聞いた。瀬地山氏は『お笑いジェンダー論』(2001年、勁草書房)、『炎上CMでよみとくジェンダー論』(2020年、光文社新書)などジェンダー関連の著書で知られる。
瀬地山氏は民間事業者が女性専用駐車スペースを設置することについて、以下のような見解を示す。
「顧客サービスの一環で、運転の苦手な女性への配慮としてスペースを設けることに問題はないと考えます。専用スペースを利用できない人が被る不利益が大きくないためです。ただ、憲法秩序との整合性を求められる自治体が(自治体の持つ駐車場で)同じことをやれば、憲法14条(法の下の平等)の観点で問題となる可能性はゼロではないかもしれません」