泉市長「あんまり厳格に物事をやりすぎると...」
ストリートピアノの運用を変更した背景には、どんな意図があったのか。J-CASTニュースは1月31日、泉市長に電話で直接話を聞いた。
実はこのピアノには「合奏はお控えください」と注意書きが記載されていた。全国で一般的に、ストリートピアノを使っての合奏を控えるよう呼び掛けられていることに応じたものだ。
ただ、泉市長はこれまでもピアノで合奏が行われるケースを見てきたといい「私は黙って遠くから『あぁ、かわいらしいね』と思って見ていました」と振り返る。今回、合奏を止めた3人が市の職員だったかどうかはわからないとした。
泉市長は今回指示した「運用変更」の内容について、「合奏はお控えください」の注意書きはそのままにしつつも、「個々の事情に応じて柔軟に対応してほしいと呼びかけた」と説明する。
「ピアノの横で静かにバイオリンを弾くくらいは、そこまでうるさくもないでしょうし、バイオリンを黙って弾く分には、コロナがどうのこうのということもない。ケースバイケースだと私は判断しました。指示としては『合唱、大声で歌うのはやめてね』というのと、『音がうるさいとか、周りから苦情が出そうな状況は控えてもらおう』という風に運用してください、と指示しました。あんまり厳格に物事をやりすぎると、かえって『それ、なんのためにやってるかわからん』となってしまいますので」
泉市長の対応が注目を集めた一方、合奏を止めさせた人に対しては「別に非はないやろ」「怒らないでいてあげて欲しい」などと同情の声も寄せられていた。泉市長は、こうした声をどう受け止めたのだろうか。
「『誰かが悪い』とか全く思っていません、おそらく、そこで声をかけられた方も、生真面目に対応なさった方だと思いますし、今回(演奏を止めた人に)同情いただいた方も、私はありがたいと思っていて。その情報がなければ、今回対応できなかったわけですから。意見書でも『市長のお耳に入れたら』と書いていただいたことは非常にうれしい。そういったときにちゃんと対応していることを示さないと、市民から情報をあげていただけませんので」
(3日11時20分追記)2月2日、ストリートピアノに掲示された注意書きは「周りにご配慮いただき、やさしく演奏してください」に変更された。