チョコパイ9個を6分割のトレイで販売するのはなぜ――? ロッテ(東京都新宿区)のロングセラー商品「チョコパイ」の容器をめぐり、SNSで素朴な疑問が広がった。
大容量タイプのパーティパックは、袋入りで販売されている。袋を開けると、6分割のトレイに9個のチョコパイが載せられている。トレイのマスの数が合っていないのだ。
なぜこのような容器で販売するのか。J-CASTニュースは、ロッテの広報課に取材した。
「お客様の手にとっていただける機会を失う心配がある」
チョコパイは、しっとりとした食感の生地にクリームをはさんだパイを、チョコレートでコーティングしたお菓子だ。1983年に「まるでケーキのようなお菓子」をコンセプトに発売した。
パーティパックのトレイには、6つのマスがある。3マスにはチョコパイが2つずつ積まれているが、残りの3マスには突起が設けられており、チョコパイは1つずつしか入っていない。
ツイッターでは2022年1月18日ごろ、12個入りでないことを指摘した投稿があり、「なぜなのか、理由が知りたい」などと疑問の声が広がった。
なぜ12個入りではないのか。突起部分をなくして、各マスに2個ずつ包装することはできないのか。ロッテの広報担当者は、価格とのバランスが問題だと説明する。
「12 個入りにすることで、価格があがってしまいます。大袋タイプの商品は、お店で均一の価格で販売されることも多く、ロッテチョコパイパーティパックだけ、価格帯が違いますと、販売しづらくなる可能性があります。そうなりますと、お店に並ばず、結果的にお客様の手にとっていただける機会を失う心配があるため、9 個入りで販売をしています」
ロッテ公式サイトでは22年1月25日現在、パーティパックのチョコパイは409円(税込み)で販売されている。
3マスに3個ずつ入れると、つぶれてしまう可能性
しかし9個入りであるのに、6分割容器を用いるのは数が合わないのではないか。ロッテの広報担当者は、3マスに3個ずつ封入するとチョコパイがつぶれてしまう可能性があると述べる。さらに「お店で並べる際に、お客様が見やすく、手に取りやすいサイズ」だとして、6分割容器を採用していると説明した。
トレイの突起部分については、輸送時にチョコパイが動いてしまうことを防ぐストッパーの役割があるという。そのうえで、商品保護に影響のない範囲で、極力薄くするなど、プラスチック使用量の削減に努めていると述べた。
SNSでは、以前と比べてチョコパイの個数が減っているという指摘もあがっている。事実なのか。ロッテの広報課は、「最近個数を変更したわけではありません」と前置きしたうえで、こう説明する。
袋タイプのチョコパイは1987年から販売しており、当時は10個入りだった。しかし2008年には現在の9個入りに変更した。
「2008年に当時の社会環境の変化に対応するため、内容量を変更させていただきました。当時の原材料価格の高騰、そして、お客様の家族構成の変化や大袋商品市場の変化などがあり、9個入りに変更させていただきました。その後現在まで、9個入りを維持しています」
チョコパイのファンからの「6マスに2個ずつの12個で売って欲しい」という声に対しては、「『チョコパイをもっとたくさん食べたい!』というお声は、とてもうれしく思います。ファンの方のお声を真摯に受け止めたいと思います」とコメントした。