「アフィリエイターが勝手にやった」はNO 3000億広告市場「極悪層」排除へ...消費者庁が提言案公表

「アフェリエイターが勝手にやった」を封じ手に

   上記の実態を踏まえ、報告書案では(1)景表法上、広告主が責任主体だと周知徹底する(2)悪質な事業者への法執行強化(3)不当表示の未然防止――を提言した。

   (1)は、「アフェリエイターが勝手にやった」との責任逃れのような主張を防ぐ狙いだ。業界関係者や生活者に広報する。景品表示法に基づく厳正な対処も、広告主の責任を効果的に知らしめる手段だと指摘している。

   (2)は、行政機関が景表法のほか、消費者安全法などの関連法規を積極的に活用するよう要望する。

   特定商取引法では個人を対象とできるため、悪質な手法を指南する "諸悪の根源"に対して業務禁止命令を行えるという。薬機法、健康増進法はいわゆる「何人(なんぴと)規制」で、広告主だけでなくASPやアフィリエイターにも適用できる。

   (3)は、広告主による相談窓口の設置、売上の多いアフィリエイターの重点監視、広告表示の根拠となる情報を事後確認できる体制づくりなどの具体案が示された。

   アフィリエイト広告では、中立的な立場で評価したような内容で商品を宣伝する場合がある。好意的な口コミや体験談(実例:たった2ヶ月で髪がフサフサになったんです!)を載せたり、ランキング形式で商品の優位性をアピール(同:ダイエットサプリランキング!第一位は○○)したりする形式だ。

   広告とわからず情報をうのみにする生活者も少なくなく、提言では広告である旨を明記するといった措置を講じるべきと指摘している。日本インタラクティブ広告協会の柳田桂子事務局長は「アフィリエイト業界がアフィリエイトサービスの特性や態様を考慮して基準を定めることが適切である」と自主基準の必要性を訴えた。

   消費者庁表示対策課はJ-CASTニュースの取材に対し、報告書の確定版は2月中を目途に公表すると答えた。委員からの提言を踏まえ、指針を定めていくという。

(J-CASTニュース編集部 谷本陵)

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