「アフィリエイターが勝手にやった」はNO 3000億広告市場「極悪層」排除へ...消費者庁が提言案公表

会社を潰して繰り返し...

   "極悪"な広告主には、非難を回避する「抜け道」が複数あることも検討会で明らかになった。

   自社商品・サービスの広告が虚偽だと指摘されると「アフェリエイターが勝手にやった」「把握していない」と言い逃れ、あらかじめ「アフィリエイト広告に関する責任は一切負わない」と宣言する企業があるという。日本アフィリエイト協議会の笠井氏は「広告主が自社の社員に不当な広告を作らせて、あたかもアフィリエイターがやっていると見せかける事例もある」と話す。

※消費者庁の実態調査では、広告主から「量が膨大であり、全てのアフィリエイト広告について、表示内容をチェックしきれる体制が整っていない」「表示内容のレギュレーションを作成したとしても、それを破ってアフィリエイターが勝手な表示内容や画像を使うことがある」と管理の難しさをうかがわせる意見も出ている。新経済連盟、アジアインターネット日本連盟は意見書で「広告主に対して、あらゆるアフィリエイターによるあらゆる投稿(感想の投稿も含む)の事前確認、事後確認、表示内容の保存等を事実上義務付けることは、不可能を強いるものである」とけん制している。

   広告を見て購入した生活者がトラブルに巻き込まれた際、責任の所在があいまいなために問い合わせ先がわからない、十分な対応を受けられないという被害も起きている。

   行政当局から指摘を受けるたびに会社を清算し、別会社を立ち上げ同様の商品販売を続ける事例も見つかっている。

「行政当局が当該広告主に対してのみ法執行をしても、すぐに出資会社やコンサルタント会社から指示を受けて他の悪質な広告主が発生してしまい、行政とこれらの者との間でいたちごっこが続いてしまうという実態がある」(検討会)

   2019年度に消費生活センターに寄せられたアフィリエイト広告関連とみられる相談は約5万件で、法令順守への厳しい姿勢が求められる上場企業に関する相談もあった。

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