菅直人元首相が、日本維新の会と創設者の橋下徹氏について、「第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす」と投稿し、維新側が反発している問題で、国民民主党の玉木雄一郎代表は2022年1月27日の記者会見で、「コメントはしない」と述べ、直接の論評を避けた。
ただ、「相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法そのものが、我が党の考え方とは相いれない」とも話し、発言は不適切との見方を示した。さらに、仮に国民民主党の所属議員が菅氏のようなツイートを発信した際の対応を問われると「そういうことを言うような、見識のない議員は、我が党にはいないと思っている」と本音をのぞかせた。
「ヒトラーの話については、コメントはしません」と言っていたのに
菅氏のツイートをめぐっては、立憲の逢坂誠二代表代行が1月25日の記者会見で「党としてどうこうということは特段の必要はない」と発言。維新は1月26日午前、立憲に対して抗議文を提出し、菅氏は同日午後投稿のツイートで
「ツイッターは党の指示ではなく私の一存で発した、私の感想を述べたもの。維新からは私には直接何も言ってきていない。私のツイッターに抗議するなら私にするべき。いずれにしても的外れな謝罪要求に応ずるつもりはない」
と反応していた。
定例会見でツイートの是非や、仮に国民民主党で同様の事態が起きた際の対応について問われた玉木氏は、「ヒトラーの話については、コメントはしません」。一般論として次のように述べた。
「私もいろんなこと言われますし、そこは政治家や政党の良識・見識にかかってるんじゃないですか?もちろん表現の自由もありますし、特に院の中で発言したことについては責任を問われないという特権が、我々国会議員に与えられています。だからこそ、その一言一言が、どういう影響を与えるのかということについては、慎重にそれを選んでいくということが私は重要だと思いますし、それも含めて最終的には選挙で評価をいただくものかな...、と」
菅氏のツイートは「相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法」
さらに、今回のツイートのような「相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法」は「我が党の考え方とは相いれない」として、距離を置く考えだ。
「ただ、相手をおとしめて何かをやっていくという政治手法そのものが、私は、我が党の考え方とは相いれませんし、そういう政治は結果として誰も幸せにしないと思いますので、世界の中で今、まん延しつつある、相手を強い、ときに汚い言葉で罵りながら、自らを上げていくような、そういったやり方や手法から我々は一線を画したい」
国民民主の議員が菅氏のようなツイートをした場合の対応を改めて問われると、
「私の知る限り、そういうことを言うような見識のない議員は、我が党にはいないと思ってます」
と応じた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)