高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
「まん延防止」34都道府県拡大では「経験が生かされていない」と言える理由

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   まん延防止等重点措置の適用地域が2022年1月27日から34都道府県に広がった。

   新型コロナウイルスの新規感染者数は、26日は全国で7万1633人と初めて7万人を超えた。その前日25日は同6万2613人と初の6万人だったが、連日過去最高という状態だ。

  • 岸田文雄首相
    岸田文雄首相
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欧米では強力な人流抑制策がとられていない

   新型コロナの波は変異株ごとにあり、その形状は新規感染者数の(1)ピークまでの期間(2)ピーク時の1日あたり新規感染者数(3)平均的な死亡率――で特徴づけられる。筆者はこれまでいろいろなところで繰り返し話しているが、大雑把に言えば第1~4波までは(1)2ヶ月(2)5000人(3)1.8%、第5波は(1)1.5ヶ月(2)2.5万人(3)0.4%、だった。

   これと海外の事例から第6波を予測すると、(1)1ヶ月程度(2)10万人程度(3)0.2%以下、となる。第6波は1月末から2月上旬でピークを迎える可能性がある。なお、季節性インフルエンザでも、超過死亡から出てくる死亡率は0.1%程度なので、第6波はそれと同じ程度になっていると思われる。

   オミクロン株の感染力が強いのは事実だが、その反面弱毒化しているので、人流抑制で感染を抑えようとするのは基本的に正しくない対応策だ。季節性インフルエンザと同等の毒性にもかかわらず、季節性インフルエンザがどんなに流行しても、人流抑制をすることはない。

   実際、日本よりはるかに感染している欧米では強力な人流抑制策がとられていない。要するに、新型コロナと共存しながら、経済を回していくスタンスだ。

   しかしながら、岸田文雄政権では、新型コロナについて感染症法上の位置づけを2類相当のままとし、まん延防止措置などで対処しようとしている。相変わらず人流抑制が対策の主力になっていて、これまでの経験が生かされずに、これまでと同じく人流抑制が繰り返されている。

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