2022年夏の参院選に立憲民主党から出馬予定だったアイドルグループ「モーニング娘。」元メンバーの市井紗耶香氏(38)が2022年1月24日、出馬を取りやめることをインスタグラムで発表した。市井氏の文面では、立憲に対して「じっくりと考えさせていただく時間もいただき想いを受け入れてくださった」と、円満に決まったかのような表現だったが、立憲側とは認識の食い違いがあるようだ。
立憲の逢坂誠二代表代行は1月25日の記者会見で、党本部としては市井氏から直接話を聞いておらず、大西健介選対委員長が事情を聞くことを明らかにした。SNSでの発表が先行した理由についても確認する考えだ。
「子育てと選挙活動を両立していくことの厳しさも痛感」
市井氏は19年7月の参院選に旧立憲の公認を受けて比例区から出馬したが、次点で落選。落選後は市民団体などと一緒に政策づくりなどに取り組む党内組織「つながる本部」のコーディネーターとして活動していた。21年8月、22年夏の参院選に比例区の公認候補として出馬することを発表した。
参院選の1年近く前に出馬を発表したのは、19年の参院選は準備不足が響いたという反省があるためだ。時間をかけて活動することで支持を浸透させる狙いもあり、21年10月の衆院選では激戦区で応援演説に臨み、少子化問題や子育て支援の充実を訴えてきた。
市井氏は、出馬辞退を発表したインスタグラムの投稿で、
「じっくりと考えさせていただく時間もいただき想いを受け入れてくださった立憲民主党の皆様、ありがとうございます」
などと立憲に感謝。次のように辞退の経緯を説明し、子育てと選挙活動の両立に課題があったことを明かした。
「コロナ禍で子育てをしながらあらためて政治と生活は切っても切り離せない大切なつながりがあることを実感した2年間であった一方、とりわけ子育てと選挙活動を両立していくことの厳しさも痛感し、こころやからだの健康面をケアしていくことの大切さも気付かされました。子どもを抱えて選挙に出ることは本当にハードルが高く、その結果、女性候補者が少ないことも事実です」