「食感」でブラックサンダーと差別化
63期決算ではお菓子商品の売り上げのうち、約8割をブラックサンダー関連商品(お土産商品を除く)が占めた。残り2割は、1997年発売の「チョコケーキ」や小売店のPB(プライベートブランド)商品などだ。
「まだまだブラックサンダーに稼ぎ頭になってもらっている」状況だと話す牧さんは、ブラックサンダーが長年愛される理由を、お弁当やコーヒーなどともに「手軽に購入できる」点にある、と分析する。その一方で、ブラックサンダーとは異なるコンセプトの商品を作ることで、さらに幅広い層や幅広いシーンで楽しんでもらえるのではないか、とも考えていたという。
そうした中、昨年から進めてきたのが「ブラックサンダー」シリーズではない、新ブランドの開発だ。22年1月11日にミニストップで販売を始めた一口サイズのチョコレート菓子「PICKS」は、それぞれ食感の異なる「ふわっ」「とろっ」「さくっ」(各税込み54円)の3種を展開。「ザクザク」が特徴のブラックサンダーと、食感面で差別化を図った。
「食感を選ぶ楽しさを伝えるため『PICKS』(pick=選ぶ)というネーミングにしました」と、マーケティング部商品開発課の村越芽美さんは話す。
形状にもこだわりがある。チョコレートの中央に切り込みがあり、割って食べられる仕組みだ。村越さんは、ブラックサンダーを食べる女性の心理を意識したと説明する。
「女性の方はブラックサンダーを食べるときに、割って食べたりするという印象がありました。一口で食べようとすると、歯型が残るのが恥ずかしいという方もいらっしゃいました。PICKSでは、そういった点を改善できる形態にしています」
販売店のミニストップでは「とろっ」を中心に売り上げが好調だという。