まとめサイト・YouTubeで再注目
「きさらぎ駅」は、その発生は2004年ながら、2014年頃からライトノベルや漫画などで題材として取り上げられるようにもなった。そして今回、ついに映画化も決まった。長い時を経て少しずつメジャー化した理由について、井上氏は以下のように推測する。
「1つは、近年すっかり定着した『まとめサイト』に『きさらぎ駅』が再録されるケースが出て来たというのがあると思います。また、これはここ2年ぐらいかと思いますが、まとめサイトに掲載された情報をまとめるYouTube動画が増えてきた点です。
YouTube動画ですから、意識して探さなくてもレコメンドとして目に触れる機会はありますので、そのような機会に遭遇した、今まで『きさらぎ駅』を知らなかった人が、新たに知るようになった結果、少しずつメジャー化が進んだと推測されます」
ただ、『きさらぎ駅』には、その「情報の出方」以外に、話そのものの完成度の高さが「ロングラン」の真の理由であると、井上氏は指摘する。
「まず、話がミステリー仕立てになっているという点が大きいです。加え、当時の他の2ちゃんねるのネタ話に見られた『一見さんを寄せ付けないお高く止まった感じ』がなかったのが大きいと思います。ゆえに、長い時間がたった今でも新規の客を入れることが出来るのだと思います。総じて言うと、『きさらぎ駅』という話の完成度が高いということでしょう」