俳優の新垣結衣さんが、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK)に出演し、源頼朝の「元妻」として「今カノ」に怒りを露わにする演技が反響を呼んでいる。
愛する頼朝との関係を引き裂かれる
大河ドラマ61作目。舞台は1175年、平清盛(松平健さん)が大権力者として君臨していた日本。主人公の北条義時(小栗旬さん)は、伊豆の弱小豪族の次男に過ぎなかったが、流罪人・源頼朝(大泉洋さん)と姉・政子(小池栄子さん)の結婚をきっかけに、状況が一変。頼朝の右腕として活躍する姿を描く。脚本は、「古畑任三郎」シリーズや2016年放送の大河「真田丸」などで知られる三谷幸喜さん。
新垣さん演じる八重は、義時の初恋の人にして、頼朝の最初の妻。頼朝との間に息子・千鶴丸を設け、子育てに奮闘する一方で、平家を恐れる父・伊東祐親(浅野和之さん)と愛する夫との板挟みとなり、苦悩している。
第2話では、政治的な理由で頼朝との仲を引き裂かれ、別の者に嫁ぐこととなった八重。渋々承服するが、最後に一目頼朝に会いたいとし、義時がその場をセッティングすることになる。
「元カノによる最後のマウント」
しかし肝心の頼朝は、八重に感謝こそすれ、「時の流れに逆らうものではない。わしは行かぬ」と再会を拒否。すると、このときすでに頼朝と恋仲になりかけていた政子が単独で八重の元を訪れ、「佐殿(すけどの=頼朝のこと)のお心は、すでに八重様から離れておいでです」「お会いになりたいなどと、二度とお思いになりませぬよう」と宣戦布告する。
これに八重は、政子をまっすぐ見つめながら「佐殿は難しいお方。決して心の内をお見せになりません。喜んでおられるかと思えば、すぐに機嫌が悪くなる。付いていくのが一苦労」「あと、寝汗をかかれることがあります。枕元には常に手ぬぐいを置いておくように。それで首の回りを拭いて差し上げてください」と、元妻ならではの生々しいアドバイスを淡々とするのだった。
愛する頼朝が自分を捨て、政子を選んだ屈辱...。元妻としてのプライドか、終始取り乱すことなく、「頼朝マウント」をとることで複雑な女心を表現した新垣さんに対し、視聴者からはツイッターで「ガッキー八重さんの覚悟と強さと悲しみを見た。 可愛いと言われるガッキーですが、強さもしっかりとした意志もある女性だと改めて思った」「ガッキー史上、最もめんどくせー女、八重殿」「八重さん最高だった。あんな新垣結衣見たことないぞ。みんながほしい新垣結衣を1話で見せて、2話でぐるりと返す脚本さすがである」「八重さんの境遇が辛すぎて胸が痛くなったけど、切なさの中でも表情とかたたずまいから芯のある強さが感じられて、これが新垣結衣の演技かと圧倒させられました」「八重がかました元カノによる最後のマウント嫌いじゃない」などと反響を呼んでいる。