ツイートまとめサービスTogetter(トゥギャッター)を運営しているスタッフがTwitterで注目された話題を厳選し、考察するコラムの第34回です。今回は「AIお絵かきツール」の盛り上がりを掘り下げます。
Togetter社が解説する「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド」<出張版>
入力したキーワードなどからAIが自動で絵を描いてくれる(イラストを生成してくれる)ツールをご存知でしょうか?Twitterで話題になっており、これからさらにバズりそうな兆しがあります。
多くのユーザーが「初音ミク」を描いてもらい話題に
ここ最近のTwitterで流行っているのは、カナダのスタートアップ企業WONBO(ウォンボ)が開発した「Dream」というアプリ。描いてもらいたいものを文字で入力し、「Pastel」「Fantasuy Art」「Ukiyoe」といったスタイルを指定すると、数十秒でイラストを生成してくれます。
今月の初旬、複数のユーザーが有名ボーカロイド「初音ミク」をDreamに描いてもらい、Twitterに投稿して大きな注目を集めました。同じお題なので色など共通している部分はあるものの、概念的な表現とも言える様々なパターンの「初音ミク」が描かれています。不気味さも味もありますね。
<AIでお絵かきできるアプリで初音ミクさんを描いてもらったら"概念"ができあがる→世界観は「最高」「バカくそかっこいい」のでやってみて - Togetter>
AIお絵かきは2021年頃から注目が集まっていた
こういったAIを活用したお絵かきツール、Twitterでは2021年頃から新しい時代のアートのひとつとして関心が高まっていました。
例えば「とりんさまAI / Trin-sama AI(@trinsama)」というTwitterアカウントは、お題をメンションすると描いた絵を投稿してくれるもの。Togetterでは、12月にアニメ化もされたマンガ『宝石の国』をテーマに絵を描いてもらったやりとりがまとめられていました。
<とりんさまAIに宝石の国のキャラを描いてもらった - Togetter>
ほかには、簡単なスケッチからクオリティの高いイラストをリアルタイムに生成するシステムの実験も行われており、たくさんのユーザーに注目されています。絵が苦手な人でもプロ並みの成果物が作れるようになると、イラスト界隈がさらに盛り上がりそうですね。
<「スケッチからイラストをリアルタイムで生成する実験をしています」凄すぎる技術に色々な反応「絵師要らなくなりそう...」「これが業界を進歩させると思うよ」 - Togetter>
AIお絵かきツールは先に紹介したDream以外にもいろいろと存在し、日々たくさんのユーザーが使ってその可能性を探っている状態です。
<#AIアート 広がる可能性から、 #DreambyWOMBO の・得手 不得手 ・自作でやってみた ・使い方の可能性 - Togetter>
「遺伝的アルゴリズム」ブームとの類似点も?
昨年、当連載でも紹介した「遺伝的アルゴリズム」を使って画像を作るという試みも、ユーザー参加型でリアルタイムに画像が変化していく様子がおもしろかったため、大きな盛り上がりを見せました。
Twitterにはシステムエンジニアやイラストレーターなど、新しい技術や芸術に興味のあるユーザーが多いせいか、AIお絵かきアプリを含めイラストを作成するツールはブームになりやすい傾向にあると言えます。
<10000世代に突入した遺伝的アルゴリズム、顔のクオリティが上がりまくって片目メカクレ美少女が誕生 - Togetter>
AIを活用したお絵かきツールが今後も話題を呼びそうな理由として、次の3つが挙げられます。
・アプリ等で誰でも手軽に「新時代の技術」を体験できる
・イラストが生成されるため、試した結果をシェアしやすい
・ほかのユーザーの投稿を見た人が試してさらにツイート、というループが生まれやすい
新しいアートの形、今後もどのような発展をしていくのか楽しみですね!以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊Twitterトレンド出張版」でした。次回もお楽しみに。