国民民主党の玉木雄一郎代表は2022年1月13日の定例会見で、中国の人権状況を巡る非難決議案について、政府・与党が決議案を提出すれば賛成する考えを改めて示した。決議案をめぐっては、自民党の高市早苗総務会長が21年秋の臨時国会で提出を目指していたが、茂木敏充幹事長が難色を示して断念したという経緯がある。高市氏は22年1月17日召集の通常国会での提出を目指す考えをテレビ番組で明らかにしている。
これに対して玉木氏は「党内でよく調整してから対外的な発言をされた方が良いのでは」と苦言を呈した。決議案をめぐる自民党内の足並みの乱れが対外的にマイナスの影響を与える、というのがその理由だ。
「やるやると言って、結局やらなかったのは与党側」
高市氏は21年12月27日配信の動画番組「文化人放送局 渡邉哲也Show」で、
「『内容に問題はないがタイミングの問題だ』ということで、頑として(茂木氏からは)サインをしていただけなかった」
などと決議案提出が見送られたという経緯を説明し、「本当に悔しくてたまらない」と話していた。1月11日放送のBSフジ「プライムニュース」では、「通常国会の頭に決議ができるよう頑張りたい」として、改めて提出を目指す意向を示した。
決議案が提出された際の対応について問われた玉木氏は、党内の手続きはすでに終わっているとして、「あとは自民党さんがどう判断されるかだと思います」。さらに、与党側の対応を「やるやると言って、結局やらなかったのは与党側」と批判した上で、
「それをおっしゃるのであれば、少なくとも党内の幹事長なり、他の部局も説得された上で、ご発言された方が...」
とも話し、与党の政策責任者としての高市氏の発言が勇み足になりかねないことを懸念した。
「ゴタゴタが対外的に伝えるメッセージは小さくない」
加えて、自民党内の足並みの乱れが可視化されることで、外交面にも悪影響が及ぶ可能性も指摘。改めて党内の調整を求めた。
「私非常に心配するのは、同じ自民党の中の幹部の中で、一部の人が『やる』と言いながら結局それが党としてできない、ということになると、そのこと自体のゴタゴタが対外的に伝えるメッセージは小さくないと思うんですね、マイナスの意味で。それぞれ立場のある方の発言で、言った以上やってもらいたいし、できないならまずは党内でよく調整してから対外的な発言をされた方が良いのではないかなと思います」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)