大みそかに行なわれた総合格闘技大会「RIZIN.33」での八百長騒動が収まらない。
対戦した元K-1ウェルター級王者・久保優太選手と、YouTuberでプロレスラーのシバターが発信を止めないからだ。それぞれのYouTubeチャンネルには、騒動に関連した動画が連日のようにアップされている。
「RIZINも全部含めて、ペテンにかけて食ってやりたかった」
シバターが1ラウンドで久保選手に1本勝ちしたこの試合。対戦後、シバターと久保選手のものとされるLINEのスクリーンショット画像がネットに流出し、注目を集めていた。
シバターは、2022年1月8日に「お騒がせしました」と題された動画を公開。久保選手に台本を持ち掛けた背景などを語ったうえで、次のように振り返った。
「正直、今回そういった作戦なしで、なんの駆け引きもなしで普通にガチンコで勝負したら、僕多分勝率10%もなかったと思います。ただ、僕が勝つためには本当にそれしかなかった。そして俺が負けたくなかった。
正直、RIZINにも結構イライラしていたし。RIZINも全部含めて、ペテンにかけて食ってやりたかったっていう気持ちがあったんですよ。で、一世一代の大ブラフをかましてやったって感じなんですよね」
久保選手よりも勝利への執着が強かったことが勝利の要因だと語ったシバターは
「久保優太、今回の喧嘩は完全にお前の負けだよ。ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ」
と芝居がかかった口調で呼びかけ、「文句がある人は是非、コメント欄なりSNSでたくさん書き込んでですね、この炎上の火を絶やさないよう、みなさん盛り上げてください」と煽った。
「人一倍思い込みが激しかったり、冗談を真に受けてしまったりとか」
久保選手も同日、「皆様、本当に申し訳ございません。」として詳しい経緯を説明する動画を公開した。
久保選手は対戦が決まってから、シバターが得意とする心理戦への対応を含めて準備をしていたものの、試合が近づくにつれ何が本当で何が嘘かわからないような状況に追い込まれてしまったと振り返った。
試合後、久保選手はシバターのパフォーマンスによって大きなストレスを感じたという。
「試合後のシバターさんの言動を見て...試合の勝ち負けよりも、自分自身が馬鹿にされてるような気分になって。怒りとか、どうしたらいいんだろうという気持ちが込み上げてきました」
続けて、シバターさんが八百長を打診した際に語った怪我などをめぐる言葉を信じ、本当に心配していたとした。
「自分は過去にアスペルガー症候群といった診断を受けていて、人一倍思い込みが激しかったり、冗談を真に受けてしまったりとか、そういうことがあって......」
今回の試合に関する騒動の責任は自分にあるとした久保選手。疑惑を晴らすためとはいえ音声データを流出させたシバターに対しても謝罪の言葉を口にしている。
「全て僕の責任で、誰かのせいにするとかではなく、本当に自分の未熟さが招いた結果だと思っています。また、シバターさんに対しても音声を流してしまったっていうことで、本当に申し訳なく思って......この場を借りてお詫びしたいと思っています」
RIZIN関係者や出場選手に対しても、迷惑をかけてしまったとして、謝罪を繰り返した。
「単純に楽しませればいいものを、久保さんが悔しくて悔しくて情報出しちゃったもんだから」
シバターは10日、「今回の件について真面目に話します」と題した動画を公開し、再び今回の騒動に関する持論を展開。シバターと久保選手の間で行なわれたものは「八百長」ではなく、「申し合わせ」「談合」に近いものだと主張した。
「八百長って言葉が、みんな好きすぎる。今回の件って八百長じゃないからね。『申し合わせ』とか『談合』っていう言葉が当てはまる」
シバターは、八百長とはお金などの複雑な要素が絡んでいるものだとして、以下のように主張した。
「今回のことはすごく良く言うとね、『作戦』」
「八百長という言葉を使うとみんなが食いつくもんだから八百長って単語を使うけれども、八百長とは全然実は中の仕組みが違うから。よりダーティーで根深い感じになってるけども」
あくまでも今回の試合は観客が楽しめれば良いのではないかとして、裏側を暴こうとした久保選手に対し挑発する場面もあった。
「単純に楽しませればいいものを、久保さんが悔しくて悔しくて情報出しちゃったもんだから、いやいややめなさいよと。リングの上で行なわれたことだけを見せるのがプロだから」