成人の日にあたる2022年1月10日、AKB48の新成人メンバー12人が本拠地の東京・秋葉原に近い神田明神(東京都千代田区)で、あでやかな振り袖姿を披露した。20年までは全国の国内姉妹グループメンバーが一堂に会していたが、コロナ禍の影響で21年から各グループの本拠地で分散して開催。その中でもAKB48は21年の行事を3月21日に延期しており、成人の日のイベント開催は2年ぶりになった。
AKB48グループの成人式では、その年の世代を「●●世代」と命名するのが慣例。干支(えと)の寅(とら)年にかけて「トライ世代」と命名された。今年の世代は、HKT48など姉妹グループを合わせて考えると、センター経験者などエース級のメンバーも多い。このことを記者から指摘され、改名を提案されると、「変更で」。4つ上の「黄金世代」にならって「黄金のトライ世代」にバージョンアップされた。「黄金世代」は「AKB48の全盛期」再興を誓った世代でもあり、その重責も引き継ぐことになりそうだ。
「寅のように強い心を持って、先陣を切っていろんなことに挑戦」
今回の新成人メンバーは01年4月2日~02年4月1日生まれ。新成人の小栗有以さんによると、「トライ世代」に込められた思いは「寅のように強い心を持って、私達トライ世代が先陣を切っていろんなことに挑戦し、AKB48を引っ張っていきたい」というもの。「エボリューション世代」、「可能性大」とかけた「可能世代」、「新世紀世代」など、多数の候補から選ばれたという。
すでに新成人の世代はAKB48の屋台骨のひとつでもある。21年9月に発売した最新曲「根も葉もRumor」では、「選抜メンバー」18人のうち4人(小栗さん、本田仁美さん、山内瑞葵さん、下尾みうさん)を新成人世代が占める。そのうち2人は、過去のシングル曲でセンターポジションを務めた経験もある。18年発売の「Teacher Teacher」(小栗さん)と20年発売の「失恋、ありがとう」(山内さん)だ。本田さんは2年半にわたって日韓合同ユニットIZ*ONE(アイズワン)で活躍。21年5月のAKB48復帰後はメディアへの露出も増えた。
姉妹グループでは、福岡市が拠点のHKT48の「なこみく」こと矢吹奈子さんと田中美久さんが新成人世代だ。2人は18年発売の「早送りカレンダー」でダブルセンターを務め、矢吹さんは本田さんと同様にIZ*ONEで活躍。HKT48復帰後に発売された最新アルバム「アウトスタンディング」(21年12月発売)のリード曲「突然 Do love me!」ではセンターを務めた。田中さんは21年5月発売の「君とどこかへ行きたい」の「つばめ選抜」でセンターを務めている。18年の選抜総選挙ではそれぞれ9位、10位にランクイン。新成人の中では最も高い順位だ。
2018年の「黄金世代」は「AKB48の全盛期を、もう一度」
AKB48グループの成人式では、過去にもエース級のメンバーが集中する世代があった。前田敦子さん(30)、高橋みなみさん(30)、柏木由紀さん(30)、松井玲奈さん(30)らが成人した12年、渡辺麻友さん(27)、島崎遥香さん(27)らの14年などだ。直近では、IZ*ONEから復帰し21年にHKT48を卒業した宮脇咲良さん(23)や、グループ総監督の向井地美音さん(23)、岡田奈々さん(24)らが参加した18年。この世代は「黄金世代」と命名され、宮脇さんは「AKB48の全盛期を、もう一度、このメンバーでつくりたい」と意気込んでいた。
今回の成人式の記者会見では、矢吹さんをはじめとする姉妹グループメンバーの存在や、「黄金世代」を念頭に、
「自分たちはそれに値するんじゃないかな?と、外から見ると、そういう風に見る人もいると思う」
と、自分たちの世代の強みについての質問も出た。
小栗さんは、
「センターをさせていただけるような、今、結構、自分の強みを持っているメンバーが多くて、すごくキラキラした世代じゃないかなと思っていて...」
などと世代のネーミングに悩んだことを明かし、
「確かに地方グループは、なこみくちゃんがいたり、そうですね...」
とも話した。
小栗さんと本田さんが、自分たちの世代の層の厚さを「ねー!」と実感していると、質問した記者は「『黄金のトライ世代』みたいな感じでいいですかね?」と提案。本田さんは「ああ、そうですね」と納得し、小栗さんも「変更で」。「改めまして、私たちの世代は、『黄金のトライ世代』です!」と声をあげ、寅のポーズを取って記念撮影に応じていた。
HKT48の「なこみく」の2人は住吉神社(福岡市博多区)で成人式に臨み、自らの世代を「ミラクル世代」と命名。矢吹さんは「これからミラクルを起こせるような世代になれたら」と意気込んだ。2人は13年11月の3期生としでデビュー。小学6年生の12歳の頃から活動を続けてきた仲で、田中さんは「成人式を一緒に迎えられたことが本当に奇跡」などと話した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)