昨季、あと一歩のところで優勝に届かなかったプロ野球の阪神。開幕から首位を快走していたが、夏場に失速したのが響いた。
阪神の強みはタレント揃いの先発陣だ。ただ、その投手陣がマウンドで天を仰ぐ姿が度々見られた。何年も前から改善されていない、拙守の多さが原因だ。
気になる「守備意識の低さ」
阪神の先発陣をみていくと、青柳晃洋は昨季自己最多の13勝で最多勝を獲得。秋山拓巳は2年連続2ケタ勝利を挙げ、ドラフト2位左腕・伊藤将司は1年目に10勝と期待以上の活躍を見せた。ガンケルも9勝3敗、勝率.750と安定感抜群で試合をきっちり作る。故障で出遅れた高橋遥人もシーズン終盤に復帰して以降は4勝2敗、防御率1.65と球界を代表する左腕になれる才能の片鱗を見せた。
来年はこの陣容にエース復権を目指す西勇輝、救援から配置転換される及川雅貴、復活を期す藤浪晋太郎が先発ローテ争いに加わる。熾烈な競争が投手陣全体のレベルを底上げするだろう。
一方で目立つのが拙守の多さだ。阪神は昨季まで4年連続で12球団最多失策と不名誉な記録を続けている。
「気になるのは守備の意識の低さです。フライが上がっても野手同士がお見合いするようなケースが目立った。捕った後も選手同士で苦笑いを浮かべる光景をよく見ましたが、首脳陣が注意しなければいけない。技術以前の問題ですよ。
守備を軽視するチームは勝てません。昨年は投打ががっちりかみ合って首位を走りましたが、勝負どころの拙守が綻びにつながった。この状況を見つめ直さなければ、今年は優勝どころかBクラス転落もあり得ます」(スポーツ紙記者)