雪で転んで15分身動きが取れなかったことも
仕事の時はスーツで、義足には革靴を履くので、雪道では結構滑るんですよ。より危険だったなと思います。雪の時は足がある人より慎重に歩かざるを得ません。スケートリンクの上を竹馬で歩くような感覚です。
約9年前にも、雪が降った日がありました。手足を3本失い、入院とリハビリを終えた後、埼玉の職業訓練校で勉強していた時期でした。外は本当に歩きづらくて、それでも足がある人は、滑りそうになったら反射的に踏ん張れると思いますが、僕はその踏ん張りが効きません。
案の定、転びました。あまり人通りも多くない道で、転んだまま15分くらい身動きが取れなくなりました。
義足で転ぶと、自力で立ち上がるのが難しいです。僕の場合、掴める手すりなどがあれば、左手で思いっきり力を使って体を持ち上げ、立つことはできます。でも、何もない場所だとかなり難しいです。その時も近くに掴まれるような物はなく、まして雪の上。雪山に遭難したような感覚でした。当時は寮生活を送っていたので、寮に電話して助けを呼び、どうにか起き上げてもらいました。