「加湿器いらず」――こんな文言とともに投稿された馬の動画に、ツイッターで大きな注目が集まっている。北海道浦河町のレジャー施設「うらかわ優駿ビレッジAERU(アエル)」の投稿だ。
動画では馬が全身から蒸気を放っており、かっこいいなどと話題になった。J-CASTニュースは2022年1月7日、乗馬課の太田篤志さんに動画を撮影した状況などを取材した。
「ウチは加湿器いらずです 冬の運動後の馬の湯気スゴイ」
太田さんによれば、動画を撮影したのは2021年12月15日ごろ。12月の浦河町の平均気温は氷点下となる。そんな冬の日の午前中、乗馬のための調教を終えた時の様子だと説明する。
映っている馬は、当時4歳の女の子「アーモンドパイ」。日本スポーツホース種の鹿毛だ。大人しく優しい性格だという。同年にうらかわ優駿ビレッジAERUにやってきて以来、乗馬で活躍するための練習をしている。撮影日は、人を載せながら駆け足で走り回る練習なども行ったため、かなりの運動量だった。
練習を終えると、全身から立ち込めるような蒸気を放った。馬にまたがるための鞍や帯などを外すと、その個所からは特に大きな蒸気があふれ、鼻息を吹くと、はっきりと視認できる湯気が飛び出した。
うらかわ優駿ビレッジAERUは22年1月6日、この様子をツイッターでこう紹介した。
「ウチは加湿器いらずです 冬の運動後の馬の湯気スゴイ」
投稿は7日19時現在までに、8000リツイート、3万3000件の「いいね」を超える反響が寄せられている。ユーザーからは「漫画の力を発揮する時の描写みたい、めちゃめちゃ速そう!」「闘気まとってる」「オーラみたいでカッケェ...!」「鼻から湯気を吹き出すのがカッコいい」などと大好評だ。
アーモンドパイちゃんはかなり汗っかき
SNSで大きな反響が寄せられたことを受けて、太田さんはこう述べる。
「こういう状態の馬を見たことない人がすごく多かったようですので、こうした反響があったのかと思います。
コメントで多くの方が言及してくださいましたが、これだけ全身で汗をかくことができる動物は人と馬くらいです。猫は肉球から、犬は舌を出して体温調節をしている様子は多くの方がご存じのことと思います。
この動画を通して、そういう気付きをコメントしてくださる方が多く、馬について興味を持ってもらえるきっかけになったのではないかと思います。馬について知ってもらえて嬉しかったです」
太田さんによれば、馬の体温は人よりも1~2度高く、運動後は40度近くになることもあるという。馬は100キロ当たり5リットル水を飲むとされており、アーモンドパイちゃんは300~400キロほどあるので約20キロの水を飲む。さらに馬も人間同様に代謝の良さには個体差があるようだが、アーモンドパイちゃんはかなり汗っかきの子だと話した。
「日本の場合、競馬が盛んで、サラブレッドなど気軽に触れ合うことが難しい馬が多いと思いますが、こうした乗用馬用の品種も存在します。大人しくて触れ合いやすい馬も多いので、近くにそういった馬と触れ合える施設などがあれば、これをきっかけに触れ合いに行ってもらい、馬のことを好きな人が増えてくれると嬉しいです」(太田さん)
♨️加湿器いらず♨️
— うらかわ優駿ビレッジAERU (@aeru_joba) January 5, 2022
ウチは加湿器いらずです
冬の運動後の馬の湯気スゴイ pic.twitter.com/ISq7JEoCpX