天皇陛下「痛みを分かち合い、支え合って」 新年ビデオメッセージ、半分以上かけコロナ禍言及

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   宮内庁は元旦にあたる2022年1月1日朝、天皇陛下によるビデオメッセージを公表した。19年まで1月2日に行ってきた新年一般参賀が、新型コロナウイルス感染症の影響で2年連続して中止されたことを受けた措置。2回目となる新年ビデオメッセージは、字幕入りで公表された。

   6分弱あるビデオメッセージのうち、半分以上の3分30秒をかけてコロナ禍に言及。命を落とした患者に「哀悼の意」、医療従事者に「敬意と感謝の意」を表した。コロナ禍による経済難にも「心が痛みます」と言及し、「痛みを分かち合い、支え合って、この困難な状況を乗り越えていくこと」を呼びかけた。

  • 宮内庁が発表した天皇皇后両陛下によるビデオメッセージ。6分弱にわたるビデオメッセージのうち、その半分以上がコロナ禍に関する内容だ(写真は宮内庁提供の動画から)
    宮内庁が発表した天皇皇后両陛下によるビデオメッセージ。6分弱にわたるビデオメッセージのうち、その半分以上がコロナ禍に関する内容だ(写真は宮内庁提供の動画から)
  • 宮内庁が発表した天皇皇后両陛下によるビデオメッセージ。6分弱にわたるビデオメッセージのうち、その半分以上がコロナ禍に関する内容だ(写真は宮内庁提供の動画から)

「仕事を失ったり苦しい生活状況に陥る方も多く、心が痛みます」

   天皇陛下は冒頭、

「亡くなられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、大切な方を亡くされた多くの方々に心からお見舞いを申し上げます」

と述べるとともに、医療従事者の活動について

「並々ならぬご尽力に改めて敬意と感謝の意を表します」

とたたえた。重症患者や死亡者の減少で「明るい兆しが見えてきたようにも思われます」とする一方で、オミクロン株という「脅威にも直面しています」とも指摘した。

   国内外の課題にも触れた。国外については、感染者が増加している国があったり、ワクチンが入手できなかったり、必要な治療を受けられない人も多いとして「このような状況が早く改善することを願っています」。国内では、コロナ禍による経済難を念頭に、

「仕事を失ったり苦しい生活状況に陥る方も多く、心が痛みます。助けを必要としている方々のところに、多くの温かい手が差し伸べられることを願ってやみません」

と話した。その上で、次のよう呼びかけた。

「国民の皆さんのこれまでのご苦労もいかばかりかと思いますが、今一度私たち皆がこれまでの経験に学び、感染症の対策のための努力を続けつつ、人と人とのつながりを一層大切にしながら、痛みを分かち合い、支え合って、この困難な状況を乗り越えていくことを心から願っています」
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