3期生・4期生も続く
2016年頃までの舞台歴で経験を積んできたのは1・2期生だったが、3・4期生も続いた。前出の「3人のプリンシパル」を17年2月に演じた3期生は、10月に3期生全員でメインキャストを演じる舞台「見殺し姫」を上演、原作のない完全オリジナル芝居であった。全員で出演する舞台はここまでだが、その後も個別に継続して舞台に出るメンバーが現れる。
久保史緒里さんが上級生の衛藤美彩さん・伊藤純奈さんと共に「三人姉妹」(2018年2月)でトリプル主演に抜擢、2021年も同名小説の舞台化作品「夜は短し歩けよ乙女」(6月)でヒロイン役を務め、文芸作品での活躍が目立つ。
「『夜は短し歩けよ乙女』では久保さんの歌唱力や発声の強さが発揮され、存在感が大きかった舞台でした。先輩メンバーの切り拓いた道を継承しながら、3期生・4期生もキャリアの早期に舞台で大きな役を経験するようになっています。グループとして手探りだった活動初期に比べ、演劇に活路を見出すための環境は整ってきました」
久保さんの同期では中村麗乃さんはシングル選抜経験は無いが「SUPERHEROISM」(2020年初演、21年再演)「October Sky-遠い空の向こうに-」(21年10~11月)と近年ミュージカルへの出演機会が多い。2.5次元舞台でもしばしばメンバーが出演し、22年3月上演予定の「フルーツバスケット」では吉田綾乃クリスティーさんがヒロイン・本田透役で出演することが報じられた。
4期生は19年4月の「3人のプリンシパル」以降全員での舞台は無いが、清宮レイさん・筒井あやめさん・早川聖来さんらがその後、加入2年目・3年目から舞台に出ている。
この間、2018年には芝居ではなくショーで構成された「GIRLS REVUE」を伊藤純奈さん・樋口さん・鈴木さんとグループ卒業後の能條さんの主演で上演している。芝居よりも歌・ダンスをメインに据えた現役アイドルならではのステージを作ることもできた。
「乃木坂46の個々のメンバーが活動を模索していく中で、舞台で活躍するというルートが整うようになった。今日のアイドルグループの中では、最も演劇との距離も近いグループではないでしょうか。もちろん映像やモデルなどをメインに活動するメンバーも多い中で、大きな劇場のミュージカルでもメインキャストに名を連ねるチャンスがある、そういうグループになったと思います」