「迫力があれば選挙に勝てたんですか?」 立憲・泉代表が「提案型」にこだわる理由【インタビュー】

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「迫力不足」指摘をどう受け止めるか

―― 政策を提案していくことは生産的で前向きなことです。一方で、12月17日の記者会見では「『迫力不足なんじゃないか』という評価もあった」という質問が出ました。12月26日に小川淳也政調会長と太栄志衆院議員が神奈川県大和市で開いた「青空対話集会」でも、聴衆から「強いパンチ力を全然感じない」という声が出ていました。

泉: じゃあ、迫力を出してパンチを繰り出せば選挙(21年10月の衆院選)に勝てたんですか?ということは、まずひとつ。とはいえ、迫力やパンチというのは、全ての議員の国会での質問力という話だと思いますので、そこを落とす必要は全くありません。ぜひ鋭く、パンチ力や迫力をもって核心に迫る質問は、党所属全ての議員にしていただきたいです。ただ、それがいわゆる政府与党を攻撃するためのものなのか、国民の皆様に向けての誠実な質問なのか、というところが問われていると思いますね。

―― そんな中で驚いたのが、蓮舫・前代表代行が12月20日に「対案路線はかつて私も主導しました」とツイートしていたことです。非常に強い言葉で追及する印象があるのですが...。

泉: いやいや、そんなことないですよ??

―― 政策の提案をする一方で、行政監視も重要です。先ほど出てきたような国会質疑時間をはじめとする制約があるなかで、どのようにして両立していきますか。

泉: 両立は可能です。監視や追及があるから提案もできる。監視力が高いからこそ、問題点を明確にすることができて、提案ができるわけです。ただ、例えば大臣の不祥事や、政治資金絡みの問題は、どうしても押し問答にならざるを得ないところはあります。多くの国民の皆様に知っていただきたいのは、野党が少数の中で追及して、あるいは真相を究明しようと努力をする中で、真相が究明に至らなかったり押し問答が続いたりする時に「悪いのはどちらなのか」ということです。少数の側から追及をする力が不足しているとか足りているという話ではなくて、そもそも説明責任を果たしていない側に根本的に問題があります。真相が解明されるかされないかは、あくまで与党、疑惑を起こした側の責任であるということは理解していただきたいです。例えば安倍(晋三)元首相のように繰り返し国会で嘘をついている場合には、もう本当に押し問答が延々と続いてしまいます。そのことに対して野党を批判されてしまうと、野党としてはもう何もできなくなってしまいます。そこはやはり批判は与党、(疑惑を)起こした側に向かうべきだと思います。

―― そこで、良い追及の方法を考えていく必要があるわけですが、泉代表は野党合同ヒアリングの見直しを表明しています。各党がクローズドな形で省庁からヒアリングをした方が、深い話が聞けるとお考えでしょうか。

泉: ヒアリングは、政府の側、例えば答弁に来る役所の担当者の方も、そんなに公開されているか否かで分けて考えているわけではありませんし、答えにそんなに違いが出てくるわけではありません。ただ、あり得るとすれば、むしろ公開されていないときの方が、より本音を出してくる可能性は高いのかなと思います。もちろん公開することの良さも、しないことの良さもあるわけですが、野党合同ヒアリングはまだ数年間の歴史ですので、過去のヒアリングのあり方も踏まえて、今改善をしているところです。(現行の)全面公開の中では、なかなか役人たちが例えば真相に触れようとしなかったり、その(疑惑の)テーマに直接的に当事者として関わったわけではない、担当者の役人が追及にさらされたりすることについての疑問も数多く寄せられています。疑惑や不祥事に対して野党ヒアリングを行うという場合には、担当者にプレッシャーを与えるということではなく、本来的には当事者が説明責任を果たすべきです。このことを前提にして、今は立憲民主党の中で監視力・追及力を落とさずにヒアリングを行っている、ということです。
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